世界の医療事情【モンゴル編vol.1】 風邪におかゆはいけない?

今回から特別に、モンゴルで青年海外協力隊として活躍されているS・Eさんに、数回にわたってモンゴルの様子をリポートしていただきます✨
モンゴル語に囲まれた生活のなかでの発見とは?

   

「モンゴルの春は四季が一度に感じられる」

といわれるほど、寒暖の差が激しい季節。

今年の5月は、

気温が30度近くなる日があれば、

次の日は砂嵐、

その次の日はマイナス7度まで冷え込み、

雪が降るといった具合です。

  

案の定、私も風邪をひきました。

  •  熱38度9分
  • 下痢
  • 食欲不振
  • 関節の痛み

現地の人曰く、モンゴルの風邪は長引くそうです。

屈強な同期(JICA青年海外協力隊員)たちも慣れない環境で1週間程度寝込むことが度々あります。

  

日本から持ってきた風邪薬を飲み、

配属先に電話をかけ、家で寝込んでいましたが

なかなか熱が下がりません。

冷凍したごはんで卵がゆでも作ろうと

台所に立っていると、ありがたいことに

モンゴル人の友達が駆けつけてくれました。

   

「あら、熱があるんだから寝てなくちゃ! 何してるのよ?」

「今、自分でおかゆを作ろうと思って…」

「おかゆ?風邪の時に米なんてだめよ!」 (米は消化が悪いと考えられています。)

「でも日本では…(必死の現地語でおかゆの説明)…」

「そんなのモンゴルの風邪には効かないわよ。」

 

そう、ここはモンゴル。

郷に入りては郷に従え…か

と思いながらおとなしく寝ていると

その彼女が手際よく作ってくれたのは

「これを飲めば薬なんていらないよ!」とのこと。

以下詳細

【にんにくスープ】

茶碗の中に、刻みにんにく、羊肉の細切れ、たまねぎのスライス、塩少々とお湯を入れ、水で練った小麦粉でふたをしたものを20分間蒸した料理。

【乳製品アールツ】

生乳を発酵させヨーグルトにする。

ヨーグルトを発酵させ乳酒にする。

その乳酒を蒸留して蒸留酒にする。

最後に残った白い絞り粕がアールツです。

大抵、その粕を型で固めて、ぼりぼりとおやつにするのですが、風邪のときは粉状にしてお湯に溶かして飲むそうです。写真は市販のもの。

   

モンゴルでは他にも以下のような民間療法があるそうです。

  •  温かい肉(羊かヤギの肉)を食べる
  • ニンニク入りのスープを飲む
  • チャツァルガンという黄色の実(ビタミンが豊富)
  • ЗӨВ(ズウ)という濃厚カルピスのようなものを飲む
  • お母さんのおしっこ入りクッキーを食べる
  • 新生児(男児のみ)の初めてのおしっこを飲む   など

やったことはないが信じている人、

実際に体験した人など、個人差はあるようです。

   

ともかくそれから6時間寝て起きたら

熱は下がって食欲も戻りました。

   

実際は、知り合いがお見舞いにもってきてくれた

経口補水液とバナナとヨーグルトが

効いたのかもしれません。

あと看病してくださった方々の優しさも。

とりあえずおしっこは飲まずに済んでよかったです。

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