皆さんあけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
さて今日は、医療巡回車についてお話ししたいと思います。
その前にまず、住民の移動手段って何だと思いますか?
住民は、徒歩、自転車、バイク、車、トゥクトゥク、マタツと言われるバスで移動します。自転車やバイクは自分が運転するのではなく、乗せてもらいます。ケニアでは大事な商売の一つです。1kmで50円くらいでしょうか?距離にもよりますが・・・住民はお金がある人ばかりではありません。へき地に住み、病院まで行くお金がないという方もいます。
診療所や病院は私の住む町には58か所あります。間近な病院に行くことができればいいのですが、それでも行けないという方もいます。
そこで登場するのが医療巡回車。
医療巡回車って何??

文字通りですが、それは、いわゆるへき地を回る移動診療所みたいなものです。
この医療巡回車はすべての市町村が持っているわけではありませんが、私のいる、Siayaにはあります。
医療巡回車で何をするのか?
子宮がん検診、診察、薬の配布、ファミリープランニング、マラリアチェックなどを行います。驚いたことにこれらは全て医師ではなく、同行した看護師が行います。ケニアは看護師が助産師、保健師、看護師すべての役割を担っているのです。そのイベントによっては、血圧を計測したり、ポータブルエコーを持っていき、検査技師とともに胎児のチェックをしたりしています。

その医療巡回車に同行して驚いたこと
私の中のケニアのイメージは、時間が来たらすぐに仕事を終える!というものでした。
ある日、その日の業務を終えて帰ろうとしていた時、一組の親子がやってきました。子どもは熱を出してぐったり、母はおろおろしているのみでした。看護師も帰ろうとしていましたが、親子のもとに向かいマラリアチェックをしました。陽性だったので薬を配布して、無事に終了するということがありました。私のイメージとは大きく離れ新鮮な出来事でした。
また、ある時、NPO法人の医療プログラムと一緒に実施したことがありました。その医療組織は医師が同行し診察をしたり、いろんな薬を持って行っていたりと充実したプログラムが行われていました。その際に行われていた視力検査にびっくり。5m以上は離れているのではないかと思われるところからの計測でした。見えていたのかどうかは定かではありませんが・・・聞くところによるとケニアの人でも視力は良い人でも2.5だとか・・・視力検査もやろうと思わないとやれない。体重測定も町では路上に体重計が置いてあり、計測するためにはお金が必要。そんな世界です。

医療巡回車の問題点とは?
薬が十分ではないということです。必要な薬がすぐに渡せるわけではないので近くの病院に行くようにと伝えて終了ということもあります。
また、燃料がないため毎週行けるわけではなく、不定期になってしまう点です。前もって予定が分かることもあれば突然行くということもあります。村のイベントに合わせて行くことがほとんどで、月に多くて3回くらいといったところでしょうか。
燃料や薬にはじまり、ないという所からスタートしてあるもので補うというこの国のスタイル。実際に見聞きして思うことは多々ありますし、驚かされることもいっぱいあります。新たな発見もあります。残り1年、新たな発見をし続けていきたいと思います。
また次回もケニアよりお届けします。



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