デイサービスで働きながら、エステティシャンとしても活躍する安部花穂さんにお話しを伺いました!1年目で病院を退職しつつも、エステティシャンとして生きる決意を固めた花穂さん。前回は、エステティシャンとして活動していくための生活基盤として考えていたデイサービスが天職になるまでを伺いました。後半では、本業のエステティシャンについてのインタビューをお届けします。
・美容に興味のある方
・生きる気持ちを支える看護に興味のある方 必見です!
前編はこちら!







愛知県を拠点に、デイサービスで看護師として働きながら、エステティシャンとしても活動中。
エステティシャンのお仕事について
エステにはどのような魅力がありますか?
安部花穂さん(以下安部):エステと一言で言っても結構深く、想いは看護師にとても近いと思います。私がお仕事を通じてしたいことは、”相手の存在を、ここに居てもいいと認めること”です。手段はどの職業でもいいですが、私にとってそれがたまたま看護師のデイサービスとエステティシャンでした。
私はエステティシャンを一生やると決めています。なぜかというと、看護師を辞めた理由の中の一つでもありますが、ずっと家でできるお仕事がいいという思いがあります。看護師はいつかは体力的に厳しくなり、妊娠したり出産したりすると現場を離れることがありますが、自宅サロンであれば家族とともにお仕事ができ、仕事をしているところを自分の娘や息子に見せてあげることができるというのも憧れます。また、生涯現役でい続けたい思いもあります!
自宅でできるお仕事のなかでもエステを選ぶのは、女性が女性らしく、自分の性に対して前向きに気持ちが持てることを後押ししたいからです。
安部:私は中学高校時代に派手にいじめられ、心が折れてしまったときがありました。そのときに支えてくれたのが家族や友人で、どんなにいじめられても、帰る場所があったこと・味方でいてくれる人がいることに救われました。前向きな気持ちを支えたり、自分を認めてくれたりする存在は本当に大事だなと思います。それが、デイサービスの看護師でもエステでも後押しできるのです。
いじめられた原因は見た目だったので、特にエステへの思い入れはあります。とてもおぼこいというか、田舎顔だったのです。見た目を理由にいじめられていることに高校生くらいで気がつき、もっと自分に自信を持ちたいと思いました。大学に入ってからエステに出会い、自分の女性としての自信を持てた瞬間に、生きる力が湧いてきたことを覚えています。自分ってこんなにいいところがあったのかと、とても前向きな気分になれました。
このように、自分の経験から女性が女性らしく自分の性に対して前向きに気持ちが持てることが人生にプラスになると感じたので、自分の性に前向きになることをサポートすれば、その方も自分に自信を持ち、もっと自分のやりたいことをできるようになるのではないかと思っています。
ー一見、エステとデイサービスがあまり結びつきませんでしたが、誰かの居場所になる面と、誰かの自信を後押しする面が重なりますね。
安部:結構、重なるんですよね。
ー生きる力を応援するのは一緒なんですね。かっこいいですね。
安部:本当に素敵な職業だと思います。エステティシャンの仕事は、ただお肌をきれいにすればいいというわけではありません。外見の面ももちろんですが、内面も重要です。心と身体は繋がっているので、心の状態が肌に現れますし、心の状態が良くない時は自分が自分を大切にできていない時です。だから病気にもなります。
病気や心はエステだけでは解決することではありませんが、「積極的に生きたい」「女性らしくありたい」という気持ちになれるのは自分のことを大事にしようと思うときだと思うので、自分を大切にする気持ちはサポートしなければと感じます。
彼女が彼女を大切にできないなら、誰かが。私が。
私が先に彼女のことを大事にすることで、何か気付くことがあればいいなと思います。これはデイサービスでも、ご利用者が病気になり、自暴自棄になってしまって「もう私なんか誰も見てないんだわ」と言うときにも、私の関わり方は同じです。
ー誰かをサポートしたいと思う心はどこから来るのですか。
安部:きっと、昔いじめられた経験から来るものだと思います。いじめを経験すると、もう誰も傷付けられなくなる。当時は、家族や助けてくれた子たちの、心の支えに救われました。その方々に恩返ししたい・サポートしたい思いから目指したのが看護師でした。
当時イメージしていたのは看護師=命を助けるという面でしたが、看護師になってからは、病気になる前、ならないようにするというほうが大事だなと思うようになりました。病気になったとしても心の豊かさがあれば乗り越えていけるし、乗り越える部分を私はサポートしたいなと思います。
花穂さんが新しくチャレンジしてみたいことを教えてください。
また、看護師とエステティシャンを掛け合わせた仕事もしていきたいです。私は今、美容療法士という資格を持っています。美容療法は、簡潔に言うと美を使ったリハビリです。例えば、ハンドエステやハンドマッサージ、メイクを通じてリハビリをしていきます。マッサージが手先をほぐしたり、メイクをしてきれいになった顔を人に見せたい意欲からコミュニケーションが活発になったりと、行動したいという思いを自然な形で引き出せるリハビリを提供します。単純にリラクゼーション効果もあるので、美容を通じて心と体のリハビリをできればいいなと思っています。
ー花穂さんのための資格かと思いました!
安部:すごく面白いです。リハビリは痛い、つらい場面もあるかもしれませんが、美容療法ではわくわく、楽しくやってもらえる点がいいなと思います。
ー確かに、どうすればリハビリに積極的になってもらえるのだろう、どうすれば行動変容を起こせるだろう・・・と一生懸命考えるときもあるかもしれませんが、美容という内側からのアプローチも素敵ですね。
安部:そうです。女性にはいくつになってもきれいでいたいという気持ちが本当にあって。「90歳になっても口紅だけはやっているよ」という方や、鏡を見てにこっと笑いながらメイクする姿を見ると、やはり自分の生きる力になり得る”美”は本当に尊いなと思います。
美容系の看護師を目指す学生へのメッセージがあればお願いします!
美しさは、自分に自信を持って生きる力になる。
生きる力は、誰かを守る強さになる。
強さは、人を想う優しさに変わる。
私達のお仕事で、その人が本来持つ美しさを最大限に引き出し、人生に前向きに、そして積極的になれるように。
興味のある方は、ぜひ人生に取り入れてみてはいかがでしょうか。
美しさを強さに、強さを優しさに。
Cocone 心音❁ 安部花穂
ー花穂さん、インタビューへのご協力ありがとうございました!
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