誰も犠牲にしない社会を作る|株式会社FOOTAGE 大串優太×LAGOM合同会社 河村隆 対談インタビュー

Alt="名古屋 訪問看護ステーション"

自分が歩んできた人生は「たったひとつの物語」だと思いませんか?その物語を大事にする訪問看護ステーションが愛知県名古屋市にあります。今回は株式会社FOOTAGE・大串優太さんとフランチャイズ展開に参画するLAGOM合同会社・河村さんの訪問看護・介護に対する想いや描く未来について伺いました。

この記事はこんな人にオススメ!

  • 訪問看護や介護に興味のある人
  • 学生インターンに興味のある人
  • さまざまな訪問看護や介護の形に触れたい人
  • 新しい医療の形を知りたい人
大串さん
株式会社FOOTAGE 代表取締役 大串 優太さん
「誰ひとり犠牲にしない」「あなたの物語が光刺す方へ すべての物語が紡がれた未来へ」をビジョンに掲げ、2018年愛知県名古屋市に株式会社FOOTAGEを設立。365日24時間対応・医療的ケア・日常生活支援など医療と生活を支えるサービスを展開し、新しい訪問看護の形を構築している。
河村さん
LAGOM合同会社 代表社員 河村 隆さん
外資系商社・保険会社・ソーシャルベンチャー企業などに勤めた後、自身の人生について振り返り、看護・介護領域へ転換。「信頼」を理念に掲げ、「地域共生を実現する」「社会を変える」を目指し、2020年LAGOM合同会社を設立。訪問介護・重度訪問介護・介護予防・高齢者支援事業などゆりかごから人生の終焉まで寄り添い、真摯に社会問題の解決に取り組んでいる。今回、株式会社FOOTAGEのフランチャイズ展開へ参画。

ビジョンである「あなたの物語が光刺す方へ すべての物語が紡がれた未来へ」について詳しく教えてください。

大串さん(以下、大串):ミッション・ビジョンの核となる部分は誰ひとり残らず犠牲にしないことです。これは働き手や患者さんなど関係なく社会全体に通じます。それぞれの価値観やバックグラウンド、その人が築いてきたものは全て違います。それを全部繋げ、全員にとって良い未来にしていきたいという想いを持っています。

物語はその人が生きてきた歴史です。その歴史の一部がお互いの価値観に反映され、物事が前向きに進むかもしれません。なので私たちはバックグラウンドも踏まえて、その人の全てを大事にしたいと考えています。

FOOTAGEの由来ですが、これは人生史や証を残すことを意味しています。スノーボードの用語で自分たちの映像を残すことを「フッテージを残す」と表現するのですが、その意味合いが私の考えに近いと感じ、FOOTAGEと名づけました。私たちの掲げるミッションとビジョンを世の中に広めたいという想いが強いので、この機会に知ってもらえると嬉しいです。

ーその想いにはどのような背景があったのでしょうか

大串:私は医療職とマネジメントの二つの立場から物事を考える必要があります。以前、利用者に対する関わり方が金銭に置き換えられてしまうような感覚に陥ってしまったことがあります。経営側の尺度で測ったことが患者さんの不利益に繋がる可能性を自分の目で見て、そうせざるを得ない状況に違和感を感じました。

また組織が生産性を重視した結果、仕事に楽しみを覚えるスタッフは少なくなったように感じます。私は会社の仲間も利用者さんのことも大事にしたいと考えているので、FOOTAGEにおいては自分の想いや考えは譲らないですし、何も諦めたくないと思っています。

ー今回、河村さんがフランチャイズ(以下FC)に参画しますが、まず河村さんとの出会いはどのようなものだったのですか。

河村さん(以下、河村):4年程前に知り合い、会話を重ねるうちに大串さんに憧れを抱きました。365日の訪問看護のシステムや「人生を大事にしたい」などの想いひとつひとつが印象的で感銘を受けました。勉強会などを通し親交を深め、ご縁があり今回のFCに携わる運びとなりました。

大串:河村さんは前職で外資系の商社に勤め、営業をなさっていたので商社マンのイメージが強くありました。看護・介護業界に長くいる人間と商業の人間では立ち振る舞いとか感じ方が全く違うと感じましたね。河村さんのキャリアを考えると、外資系から介護に転換してまで起業するほどの想いや覚悟があるのだろうと感じましたね。

自分たちの事業に誇りを持っていますが、会社も若いため胸を張って「FCやります!」と言える状況ではありません。だからこそ一緒にFCの立ち上げを行っていくパートナーが欲しいと思いました。お互いの理想を追求できるパートナーを河村さんにお願いする形になりました。

ー河村さんが看護・介護事業にかかわろうと思った背景を教えてください。

河村:外資系に勤めていた頃は数字ばかり見るような生活でした。企業が撤退していく様子を見て「自分は将来もこの業界で働いていけるのだろうか。」と不安を感じました。その不安から仕事に楽しみを感じず、他にやりがいのある仕事はないのかと思い始めました。その頃に親族の病気が発覚し、人生について深く考えるようになりました。

親族が亡くなるときに、納得のいく人生は送れたのだろうかと思いました。当時、医療制度や介護保険制度も知らなかったので、資源を知っていたら何か変わったのかと考えました。そういった背景もあったので、何かしらの形で地域と繋がる必要性を感じました。

ーインターンやボランティアに積極的な理由はなんでしょうか。

河村:医療や福祉を目指す学生さんに、ゆりかごから墓場までのさまざまな現場を見て問題点に触れて欲しいと考えています。医療・介護スタッフだけではなく地域で支え合うとはどういうことなのかを感じ取って貰えたら嬉しいです。

そして何が貢献できるのかと考えるきっかけになっていたら嬉しいです。興味があれば小学生でも構いません。高齢者で困っている人に挨拶するだけでも助けになりますね。そういったことが自然とできる地域の繋がりを築くことも目的としています。インターンに来てさまざまなことを感じ取っていただきたいですね。

ーこれから描く、お二人の未来を教えてください。

大串:今の社会問題は医療の知識だけで乗り越えることが難しいといわれています。医療の知識だけでは解決できない問題について学ぶ場所が必要で、それがFOOTAGEであって欲しいです。そして複合的な専門性を持った人材に育ち、地域で多角的な視野で物事に取り組める人材に成長することを望んでいます。その多角的な視点が特定の課題解決だけでなく、あらゆる問題解決に繋がると考えています。

また「幸せ」に向き合って来なかった結果が今の社会問題となっているのではないかと感じています。オランダの健康概念は「健常も障害も関係なく自分の人生に満足し、自己管理ができれば幸せ。」というものですが、今の日本はその視点に転換する途中ではないかと思います。私たちには安心して医療を受けられる体制を整え、自分の幸せに納得できる社会を作る義務があると思います。

河村:商社・経営は人と人との繋がりで形成されています。お互いに合う人を紹介したいと考え、ビジネスに発展できると全員がハッピーな気持ちになります。医療・介護も同じです。医療と地域、地域と地域と繋がる必要があります。

私は医療従事者ではないので専門的なことはできません。代わりに私にできることは、ゆりかごから墓場まで生活の全てをサポートをすることです。それは訪問看護でなくとも地域で補うことができます。お互いの経験が重なり、さまざまな人を巻き込み一緒に作り上げていく。「やって良かった。」をたくさんの人に届けたいですね。点が線になり、そして円に繋がっていく。そのようなベースを作り社会の一端を担っていきたいですね。

河村さんが代表を務める訪問看護ステーションは2022年7月1日にオープンしました。
次回は「LAGOM合同会社 河村隆さんの独占インタビュー」をお届けします!訪問介護やボランティアなど日々どのようなご活動をされているのか伺いたいと思います。

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