看護学生が看護師になるためには、大学や看護専門学校に通い、日々課題や実習、実技試験などをこなしていかなければなりません。毎日忙しい看護学生ですが、アルバイトや遊びなど勉強以外にやりたいことが多い年代でもありますよね。
今回は看護学生のアルバイト事情の実態をアンケートから紹介するとともに、看護学生の間、どのように学生生活を過ごすと良いのかを解説していきます。ぜひ看護学生の皆さんは参考にしてみてください。
看護学生のアルバイト事情
今年は、看護学生のアルバイト事情をアンケートで調査しました。2022年度のアンケートデータ*と、2年前の2020年のアンケートデータ**から実際の学生の様子をみてみましょう。
*【2022年度看護学生の実態調査】 調査対象:110名 調査期間:2022年3月~2022年4月 調査方法:インターネット調査
**【2020年度看護学生の実態調査】 調査対象:199名 調査期間:2022年3月~2022年5月 調査方法:インターネット調査
看護学生でアルバイトをしている割合
下の円グラフは2022年のアルバイトをしている看護学生の割合です。アンケートをとった看護学生のうち、81.8%がアルバイトを経験しているという回答でした。
2020年のアンケート結果では、2022年の81.8%よりもさらに多く、93.5%の学生がアルバイトをしているという結果になっています。COVID-19流行の影響もあり、アルバイトを控える学生がいたということかもしれません。
看護学生のアルバイト先
2022年のアンケート調査では、各看護学生が経験したアルバイト先は、表のような結果となりました。
順位 | 経験したことのある仕事のジャンル | 割合 |
1位 | 飲食店 | 70% |
2位 | 塾・家庭教師 | 27.8% |
3位 | 販売・ファッション | 25.6% |
2020年の調査でも、割合は少し異なりますが、上記の3ジャンルがアルバイト先として人気という結果でした。学校が終わったあとに時間を調整して働きやすい飲食店や、1授業から担当することもできる塾や家庭教師が人気のようです。
看護学生がアルバイトをする目的
さまざまな理由で8~9割の看護学生がアルバイトを経験していますが、アルバイトをする目的は2022年のアンケート調査では下の図のような結果となりました。

【2022年度看護学生の実態調査】より。 調査対象:110名 調査期間:2022年3月~2022年4月 調査方法:インターネット調査
アルバイトの目的として一番多いのは、「生活資金」が28.9%でした。次に「貯金」が21.1%、「社会経験」が20%と続いています。一人暮らしを始める学生も多く、生活資金を集めるのが最も大きなアルバイトの目的という学生が多いようです。
看護学生がアルバイトをするメリット
アンケート結果から看護学生は、アルバイトをしている人がほとんどであることがわかりました。しかし、忙しい中で看護学生がアルバイトをするメリットは金銭面だけではありません。社会経験がアルバイトの目的という学生もいるように、アルバイトをすることによって、敬語や対人スキルが磨かれるという意見や、新しい交友関係を作れるという意見もアンケートから聞かれています。
アルバイトをすることで、普段の学校生活や日常生活ではなかなかできない経験をすることができるので、その経験が対人スキルや目上の人との関わり方などを学ぶことに繋がっているというわけです。
看護学生がアルバイトをするデメリット
一方で、看護学生がアルバイトをするデメリットもあります。
2022年のアンケート調査では、アルバイトをしたことで勉強がおろそかになっていると感じたか、という調査も行いました。その結果は下の表のようになっています。
勉強がおろそかになっていると感じますか | 割合 |
よくある | 5.6% |
たまにある | 38.9% |
あまりない | 34.4% |
全くない | 21.1% |
勉強がおろそかになっていると感じる学生は「よくある」「たまにある」の割合を合わせて全体の44.5%という結果でした。「あまりない」「まったくない」と答えた学生が5割以上いるものの、勉強に支障をきたしてしまうというデメリットは一部の看護学生が感じているようです。
また、勉強の忙しさからバイトを辞めたという学生も全体の28.6%となっています。アルバイトに力を入れた結果、勉強についていけなくなってしまった学生がいるというのがわかります。他にも、人間関係が理由でアルバイトを辞めた学生も36.7%の割合でいるので、アルバイトが精神的にストレスを抱える原因になってしまうのもデメリットといえるかもしれません。
もし勉強との両立が難しいと感じたり、ストレスを感じたりしていた場合は、アルバイトを少しの期間休むか、アルバイト先を変えるのもおすすめです。アンケートでも、実習で忙しい間はアルバイトを休んでいたという学生が8割以上でした。
看護学生が勉強以外でしたほうが良いこと3選
勉強をおろそかにしていてはいけないものの、看護学生にはアルバイトのように、さまざまな経験を積む時間も大切です。
とはいえ、過ごし方に悩む学生も多いと思います。次に看護学生が勉強以外でした方が良いことを紹介します。主に下に挙げた3つです。
- 友達や家族と旅行に行く
- 趣味を見つける
- ボランティアやスポーツ大会などのイベントへの参加
それぞれ理由をみていきましょう。
友達や家族と旅行に行く
看護学生の間は、大学生ほど長くはないですが夏休みや冬休み、春休みがあります。さらに連休や祝日も学校は休みです。しかし看護師になると、土日祝や連休などの休日は関係なく働く必要がある場合がほとんどで、夏休みも希望通りにとれない場合が多いです。
そのため、ゆっくり過ごす時間が必要な旅行は、看護学生のうちに行った方が良いでしょう。友人や家族などとの思い出作りという面はもちろんですが、海外旅行など行ったことがない土地で知らない人と出会うのも良い経験になります。新しい価値観を知ることで視野が広がっていくでしょう。

趣味を見つける
自分の趣味を持つことは、看護師にはとても重要です。看護師は、日々のストレスを発散する方法をいくつか持っている必要があります。友達と遊ぶこともストレス発散方法としては良いのですが、看護師として働きだしてからは、勤務時間がバラバラで友達と予定が合わせにくいのが実情です。
そのため、友人にも会えず、休日には何をしたらよいのかわからなくなってしまう人もいます。ウォーキングやカフェ巡り、買い物など一人で楽しめる趣味を学生の頃から見つけておくと、仕事のストレス発散のためにも役立ってくれますよ。
ボランティアやスポーツ大会などのイベント参加
ボランティアやスポーツ大会など、イベントに参加するのも良い経験になります。地域のイベントはもちろん、他の大学や専門学校の学校祭などに参加するのもおすすめです。また学校によっては、体育祭やスポーツ大会、学校祭を開催するところもあるので、そういったイベントには積極的に参加しましょう。
ボランティアやスポーツ大会は、すべて周りと協力する必要があります。協調性を培うことができるのはもちろん、新しい交流関係ができるかもしれません。また、就職面接で話のネタにもできるというメリットもありますよ。

看護学生にはアルバイトや遊びなどさまざまな経験が大切
ここまで看護学生のアルバイト事情についてアンケート結果から実態を解説し、看護学生におすすめのやると良いことについて紹介しました。
看護学生はなかなか時間が取れず、毎日忙しい日々を過ごしています。看護師になるための勉強や実習はハードで、朝まで実習記録を書いていたという学生もよくみかけますよね。勉強や実習をおろそかにしてはいけませんが、アルバイトや旅行、趣味などのさまざまな経験も、人としての豊かさを生み出す中で非常に重要なものになってきます。
看護学生のうちに、アルバイトや旅行、イベントを通した多くの人との出会いなど、さまざまな経験をしておくと良いですね。

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