「看護師の可能性と選択肢を広げたい」株式会社ジョンの代表・じょんさんにインタビュー!

訪問看護を運営しながら、訪問看護のコンサルティングも手がける株式会社ジョンの代表・じょんさんにお話しをお伺いしました。どんな職場環境でもいきいきと働くことができる看護師になるために大切な考え方を教えていただきました。

今回の記事はこんな人におすすめ!

  • 訪問看護に興味・関心のある人
  • 事業の立ち上げに興味・関心のある人
  • 進路に悩んでいる人

\今回インタビューにご協力いただいたのはこの方!/

じょんさん
看護師のじょんさん
大学卒業後、大学病院のICU、救急センターに合計4年間勤める。キャリアについて考えていたときに起業の道を考え、訪問看護の立ち上げから管理に3年間携わる。その後、自らの会社「株式会社ジョン」を設立し訪問看護ステーションを経営しながら、訪問看護事業のコンサルティングも手がける。
じょんさんのTwitterはこちら👉https://twitter.com/Nurse___K
目次

看護職を目指したきっかけについて教えてください

じょんさん(以下、じょん):姉が看護師なので医療職は身近な環境でした。親は自営業で、地元の野菜や魚を売っていたのですが、親からは儲からないから家業は継ぐな、医療職は資格があって手堅いからそっちへ行った方がいいのではと言われていました。医師では頭が足りないから、看護職か療法士かなと考えていました。

療法士か看護師の分岐点としては、学生の頃に野球をしていた際、足の靱帯を切り入院したことがきっかけです。リハビリも受けていたので療法士も良いと思ったのですが、より近くで人を看たいと思い、看護師を目指すようになりました。

学生時代について教えてください

じょん:成績は中の中ぐらいで、空いた時間はバイトにあけ暮れていました。授業をサボることはなかったのですが、授業に出つつ、何とか単位をとりつつ、そつなくこなしていました。いろんな方にご迷惑をおかけしたなと思っています(笑)

ーアルバイトはどんなことをやっていましたか?

じょん:学校近くの焼肉屋でアルバイトしていました。賄いが美味しくて、辞められなかったんです。そのほかにはコールセンターのお客さんの窓口でバイトをしていました。あまり感情がぶれる人間ではないので、それが買われて、クレーム担当をしていました。相手が怒っていても冷静に対処するスキルは、コールセンター(スカパー)でバイトをしていた経験が生きています。

大学卒業後のキャリアについて教えてください

じょん:卒業後は、学校としてご縁があった病院に4年間務めました。今振り返って思うのは、最初に就職する場所はどこでもいいということです。自分が最初に感じた正解だと思う道は巡り巡って正解になることが多いので、自分の言葉にできない直感は大事にした方がいいのではないかと思っています。

ーその後のキャリアをどのように選択されたのでしょうか

じょん:キャリアについてはふつふつと考えていました。
一般的な男性看護師のキャリアとして考えやすいのは、病院の主任や師長だと思いますが、僕のみる限り主任や師長は大変そうだと思いました。そこで、自分で起業する道を考えた結果、訪問看護という選択肢があることを知りました。訪問看護の経営をしようと考えた時、2年目の夏に訪問看護事業説明会という広告をみて、説明を受けに行きました。そこで、経営の方法などを学び、4年目の終わりに未経験だけど管理職という立場で、3年間修行させていただきました。3年間の修行が終わったのちに訪問看護ステーションを立ち上げました。

ーいきなり起業することに対して不安や難しさはありましたか?

じょん:なにしても新しい環境は大変なので、一旦飛び込んでみてから考えました。
訪問看護の経験がないけど、最高のサービスを届けたいとか、今の私にはできないと思うよりも、「誰もが初めてじゃん」という考えを持っていました。

そして、何かを始めるときは常に周りに言っていたので、友達に声をかけて非常勤として働いてもらっていました。その中で一回経験してみて「楽しいな、やっぱ来たい」と言ってくれて常勤になる人もいました。訪問看護立ち上げの難しさはたくさんありましたが、一つは自分が人を雇う・管理するという立場になるので、自分より上の方をお雇いして、業務をお願いすることが大変でした。

経営のコンサルティングをやろうと思ったきっかけを教えてください

じょん:学生の時、自分の経験を話すことが誰かのためになったという経験がきっかけです。男性看護師という希少性と訪問看護立ち上げの経験は、誰かにとっては価値になるという確信が何となくあったので、コンサルティングを始めるようになりました。

ーやっていくなかでのやりがいはどんなところにありますか?

じょん:コンサルティングは、うまく事業が乗ったとき、順調にお客さんが増えてきたとわかると安心します。
訪問看護ステーションを運営する中では、 スタッフが課題を乗り越えて成長している姿を見るとやっていてよかったなと感じます。また、スタッフの行動で患者さんから喜んでくださってる声を聴くと自分のことのように嬉しいです。

ー人のマネジメントにあたって、気を付けていることや大切にしていることはなんですか

じょん:これはとても奥深いと思っています。過去に、このやり方は違うんだなと思ったことがありました。
他にコンサルティングを経験されている方のいいところを全部盗んでやると思ってやっていたのですが、そのままマネしていてもうまくいかなかったことが多かったんです。
誰かのまねをして出来なくても落ち込む必要はなくて、物事に対して自分なりに真摯に向き合おうとすることが大事だと思います。それを繰り返すことで自分の型が出来上がってくるのだなと思っています。

ー経営者として自分で事業を運営していくことの面白さはどのようなところに感じますか?


じょん:僕は人に興味があるので、人の人生に関わることや人の成長に興味があります。会社として売り上げの目標は立てないといけませんが、自分が関わっている人が成長したり、その人の可能性や選択肢を広げたりしたいと思っています。その人のやりたいと思っていることに自分の時間を使ってサポートできることにやりがいを感じています。

ーその人への興味はどこからくるのでしょうか?

じょん:人の関係に気を使うことが多かったからなんでしょうかね。細かい所作に気づくことが多いです。その分予測できることも多いので、アドバイスして喜んでもらえることも多いのではないかと思っています。
人との関係性作りは、幼少期から野球をしていたことが影響していると思います。ポジションはセカンドが多かったです。レギュラーよりベンチの子が気になったり、応援席の子が気になったりしていました。

インタビューの様子

今後チャレンジしていきたいことを教えてください

じょん:一貫してやりたいことは医療者、特に看護師の可能性と選択肢を広げたいと思っています。それを僕の経験や使えるもので支えたいと思っています。訪問看護ステーションを運営する上で僕なりにアドバイスできるところを伝えていきたいし、看護師としてのキャリア、成長やチームとしての成長に力を入れていきたいと思っています。

ー今どのような課題がみえているのですか

じょん:自分を表現してほしいと思っています。現状の職場に不満があって理想を求めて転職をする方もいると思うのですが、どこにいっても自分の理想の場所はないと思っています。
だからこそ、どんな職場環境でも適応できるように個人の戦闘能力を上げてほしいと思っています。仮に今の職がなくなったとしても「自分にはこういうことができる」と表現できるものがあると、「就職できるかな」ではなく「自分はこういうことしたいから、こうやっていきたい」といえるようになると思っています。
自分の考えを外に出して磨いて、個人の戦闘力を上げてどこでも通用するような人になってほしいです。そうなってほしいし、なれると思っています。

ー個人の戦闘力をあげるために学生時代からできることは何だと思いますか

じょん:「自分と向き合うこと」だと思います。
自分が選んできた行動に対して自分を振り返って、なぜそれを選んだかを言語化していってほしいです。「なぜこの看護学校を選んだのか」「なぜこのバイトをしているのか」「なぜこの子と友達になったのか?」「何が楽しい?」「何がしんどい?」を言語化して欲しいです。
自分が選択してきたことは自分の感性があると思うので、それをひたすら頑張って言語化していくと、これから選択するときに毎回理由付けができたり、“自分”がわかるようになると思います。自分を表現できるようになると、それを良いと言ってくれる人が現れるので、自分を表現するのも楽になります。

看護学生へメッセージをお願いします

じょん:失敗というものはないので、自分の感性を信じてほしいです。失敗と成功で分岐するのではなく、失敗の先に成功があると思っています。
そう考えると何を選んでも結局成功なので、そっちがいいと思った理由を自分なりに見つけて「こんなことやってみたいな」と思ったら前向きに進んでいってほしいなと思います。
そして、職を変えてもどんなところへ行っても大事なことはシンプルだと思っています。
「自分の意見・感情をきちんと言葉に表すこと」「相手の意見もきちんと聴くこと」「できなくてもいいから助けをもとめること」。これさえできればどこへ行っても大丈夫だよと伝えたいです。

ー戦闘力が高い人たちが集まった先の未来で思い描いていることはありますか?

じょん:あらゆる可能性がでてきますよね。結果的に患者さんへのケアの質が上がると思いますし、組織もよくなってくるのではないかと思います。

のむ:どんなライフステージの変化があったとしてもそれぞれの現場で自信をもって歩んでいける子が増えてくれたらなと思っています。

各種リンク

・WebサイトURL:https://pure-john.com/
・じょんさんのYouTubeはこちら:https://www.youtube.com/@Nursejohn/about
・じょんさんのTwitterはこちら:https://twitter.com/Nurse___K

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