A日程・2022年8月29日~30日、B日程・2022年9月28日~29日の2つの日程で、まちだ丘の上病院が運営するヨリドコ小野路宿へお伺いしツアーを実施しました。全国各地から集まった医療系学生各日程で10名が参加しました。小野路のまちを歩き、地域診断や学生によるカフェの運営、地域に溶け込んだ医療、地域の人のつながりを体感させていただきました!
~「ちいここ」とは~
『「地域と医療」のすべてがここにある』という意味の略称で、医療系学生のオンラインコミュニティです。オンラインの繋がりに留まらず、医療系学生を対象とした合宿やツアーや イベントを定期開催しています。
ちいここさんのTwitterはこちら👉https://mobile.twitter.com/chiicoco_iryou
開催背景
今回のツアーは、小野路地域の「あるといいな」が創り出されている、ヨリドコ小野路宿という創造的な取り組みを体験させていただき、地域での新しい医療のあり方を学生が実際に自分たちの足でまちを歩き、ふれあうことを目的に開催しました。
合宿の概要
A日程 2022年8月29日~30日 小野路宿ヨリドコ、デイサービス『ひまわり』
1日目はまず、髙橋さんから小野路宿ヨリドコの成り立ちや説明を聞き、その後HATARAKU認知症ネットワーク代表の松本さんが手掛ける地域密着型のデイサービス『ひまわり』にお邪魔しました。
デイサービス帰宅後、藤井さんと共にヨリドコ近辺を歩いて地域診断をしました。
夜はkitchenとまりぎにて、夏バテに効くメニューを参加メンバーで1から考え、学生が運営する夜カフェを1日限定で開店しました。ご来店いただいた地域の方と交流しつつ、小野路町の歴史や個々人の想いなどを熱く語り合いました。
2日目は丘の上病院にて、藤井さんから小野路町の地域医療についてお話ししていただきました。その後、病院からヨリドコまで歩いて移動し、1日目と同じく地域診断をしました。
ヨリドコ到着後、SUNSUNクラブという地域の高齢者の方々がラジオ体操やヨガ、簡単なダンスを行う活動が行われており、そちらにご一緒させていただきました。
お昼はkitchenとまりぎで作っていただいた特製カレーを楽しみつつ、川崎で救急医をされている清水愛子先生を交えて、大学では聞けないリアルな医師の話やオンラインとオフラインの地域診断を通して感じたことを共有し合いました。
B日程 2022年9月28日~29日 ヨリドコ小野路宿、地域包括ケア、kitchen とまりぎ
1日目は、ヨリドコ小野路宿にて、まちおか事務長の高橋信一様より、ヨリドコ小野路宿についてのご説明をしていただきました。藤井雅巳様に案内していただき、小野路の町を歩き、地域の方に声をかけてみたり、町の雰囲気を体感する時間となりました。そしてヨリドコにて、高齢者支援センター長の佐藤さんから、町田市の地域包括ケアについてお話をしていただきました。
そして最後に、ヨリドコの「kitchen とまりぎ」を使わせていただき、参加者により夜カフェをオープンさせていただきました。ヨリドコに関わっていらっしゃる地域の方々が、たくさん集まっていただき、定員をしながら、たくさん和気あいあいとお話をさせていただける貴重な時間となりました。
2日目は、朝ヨリドコに集合し、まちだ丘の上病院へ行きました。病院にて院長の小森將史先生から、地域の病院の院長として地域を診る視点のお話だけでなく、一人の人としての在り方、私たち学生に向けて生き方や背中を押していただくような貴重なお話をしていただきました。
HATARAKU認知症ネットワーク町田代表の松本さんが手がけるデイサービスの活動の一環である竹林活動に参加させていただきました。誰が利用者さんなのかわからないような空気感で、学生も一緒に竹を切らせていただいたりなど、町田市の認知症の取り組みに触れる貴重な時間となりました。
最後は、「kitchen とまりぎ」にて、野菜たっぷりのランチをいただきながら、2日間の振り返りをしました。
合宿を通しての気づき・学び
Eさん「患者さんに視点を合わせられる医師に」
私は今まで、東京は“大都会の場所”という認識がとても強かったので、実際に町田市に行き散歩をしてみて、沖縄の私の街の風景とあまり変わらない景色だったので、驚きました。同時に、東京にもこんな田舎のような街並みがあるんだなと学びました。坂道が多く、あまりスーパーなども見かけなかったので、特に高齢者にとっては、生活するのが大変だろうと思ったのですが、いろいろな方と交流して人と人の繋がりを大切にしている場所でもあるのだろうと思い、町田市は温かい場所だと感じました。
また、看護師さんから頂いた「患者さんの病気を診るのではなく、患者さん自身に視点を合わせられる医師になってほしい」という言葉を、今後現場に出たときに忘れないでおこうと思いました。
これまで離島医療に関して勉強していく中で、限られた資源で、どうやって住民を救うことができるかに視点を置いて勉強してきました。しかし今回の合宿で、住民を救う手段は医療資源だけではなく、人と人との繋がりを築き病気にならないようにする健康習慣や、病気になったとしても自分の居場所を提供してくれる施設など、さまざまな工夫で救うこともできると実感させられました。
Aさん「濃い2日間でした」
地域のグループに参加させていただき、一緒にラジオ体操やヨガ、盆踊りをしました。私は、一緒に輪になって盆踊りを踊ったことが強く印象に残っています。以前は盆踊りの何が楽しいのかわかりませんでしたが、今回一緒に踊ったことで少し心が通じた気持ちがしました。不思議だと思いましたが、言葉を交わしてコミュニケーションをするより濃い時間を過ごせたように感じました。
医療・福祉関係者だけでなく、地域のさまざまな方ともお話ができたり、カフェをしたり本当に楽しく学ぶことができました。お話をしていただいた方々が皆、「小野路を変えよう」と新しいものを受け入れる姿勢が印象的でした
また、全国から集まったほぼ初対面のメンバーと協力して活動をしたのも、印象に残っています。この経験は将来必ず役に立つと思います。参加して本当に良かったです。忘れられないとても濃い2日間になりました。
コメント