【musbun×看たまノートコラボ】 事業所見学レポートin社会福祉法人さくらんぼの会

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3月下旬、福祉施設と学生をむすぶ“musbun”のメンバーと、看たまノートのメンバーで、社会福祉法人さくらんぼの会(=愛知県名古屋市=)を見学させていただきました。さくらんぼの会の取り組みや利用者さんたちの活躍を、それぞれの視点からご紹介します。
https://www.e-sakuranbo.or.jp/

見学に行ってきた人・記事を書いた人
富田 有紀:椙山女学園大学 管理栄養学科3年
五島 里紗:名古屋大学医学部保健学科3年
野村奈々子:岐阜大学医学部看護学科4年

目次

お弁当のさくらんぼ

Alt="福祉法人さくらんぼの会"

「お弁当のさくらんぼ」では、その名の通りお弁当を作っています。市からの委託事業として、地域の高齢者の方が食べるお弁当を作っています。お昼ご飯の時間帯に間に合うように配達まで行うため、シビアなスケジュールが特徴です。

五島
ある職員さんが、利用者さんのことを「仲間」と表現していることが印象的でした。さくらんぼさん全体で統一して使用しているわけではありませんが、一緒に働く仲間として向き合っているんだなあと思いました。
富田
災害に関する備えが印象的です。1階が盛り付けのスペース、2階が調理のスペースになっていました。東海豪雨で浸水した過去の経験を生かして、キッチンなどの設備を2階に移したのだそうです。

おそうざいのさくらんぼ

Alt="福祉法人さくらんぼの会 見学"

「おそうざいのさくらんぼ」では、日替わりランチ、おでんなどの食事を提供する食堂があり、地域の方の憩いの場となっています。「おそうざいのさくらんぼ」では、朝から“夕食”を作っています。

野村
朝から夕食を作っているのは、「おそうざいのさくらんぼ」は「お弁当のさくらんぼ」よりも重い障害をもつ方々が働く施設であり、トラブルにも対応することを前提にしているためだそうです。何が起きても、最終的にはきちんと時間までに納品する、という体制が整っており驚きました。

私たちは、どて煮丼とたませんを頂きました。とても美味しく、またほかのメニューも食べてみたくなりました。「おそうざいのさくらんぼ」には「おともだち制度」があり、おともだちになることで、最初の1回はたませんが無料でいただけます!(私たちもおともだちになりました!)ぜひ皆さんもおともだちになってみてくださいね。

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いただいた「どて煮丼」

生活介護すまいるたいむ

事業所のなかでは最も重い障害を抱えた利用者さんたちの生活介護の場も見学させていただきました。以前使用していた建物の老朽化に伴い、新しく建てられた施設でした。入口に自動ドアがあり、みんなびっくりしちゃいました。

建物内はいくつかの作業スペースと休憩スペースに分かれており、利用者さんはそれぞれ、さくらんぼの会のお便りを折ったり、洗濯物を畳んだりしていました。職員さんが手伝う部分もありますが、「利用者さん自身ができること」を大切に、作業工程を分解し、仕事をつくっていました。

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見学を通して感じたこと

ー就労継続支援B型事業所(お弁当のさくらんぼ)と、生活介護(すまいるたいむ)の違いはどんなところにあると思いますか?

富田
B型事業所では、「仕事」に取り組んでいると思いました。時間になったら取り組んだり、気が乗らない人がいたり、仕事に取り組む概念がある印象を受けました。生活介護のほうは生活を中心に、できることを探していると感じました。
五島
生活介護では、「仕事」をするためのステップアップの場という印象をもちました。他者と関わる練習の場というイメージなのかなと思いました。

ー生活介護で仕事に取り組む方々は、何を目標にそれぞれの仕事に取り組んでいるのだと思いますか?

五島
社会のなかでの役割を獲得することを目的にしていると思います。お惣菜やお弁当で働くことも目標になりうるけど、全員が到達できることではない。全員が、各々の役割はなんだろう、できることはなんだろうと職員さんと探っていると思います。
富田
生活介護の場を通じて、役割をもつこと、できることを増やすことが目標だと思います。できないからこそチャレンジしてもらい、できることを増やすことが大事だと思います。

ーさくらんぼさんの事業所全体の特徴はなんだと思いますか?

野村
生活介護は条例*によって、生産活動に従事する利用者さんに工賃を支払う義務がありますが、工賃の下限額や報告義務はなく、自由に設定することが認められているそうです。
そもそも生活介護で生産活動に従事させない事業所もあるかもしれませんし、工賃をかなり下げている事業所もあるかもしれません。それでもさくらんぼさんでは、生産活動として何をしてもらえそうかを模索し、きちんと工賃を支払うことにこだわって取り組んでいるところがアツいなと思いました。
五島
地域にひらかれた事業所だなと思いました。飲食店がないぶん、地域の方が障害者施設としてではなく、お店として地域の方々が利用されていたと思います。地域の憩いの場であり、生活の動線にもなっていると思いました。

*障害福祉サービス事業の設備及び運営に関する基準を定める条例
「第三章 第四十四条 生活介護事業者は、生産活動に従事している者に、生産活動に係る事業の収入から生産活動に係る事業に必要な経費を控除した額に相当する金額を工賃として支払わなければならない。」
https://www1.g-reiki.net/ishikawa/reiki_honbun/i101RG00001315.html#e000000727

まとめ

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見学する様子

富田
当日は麻生課長にご案内いただきましたが、どの施設を訪れても「麻生さんだ!」と駆け寄ってくる人たちがいる様子から、日頃から各施設の人たちとコミュニケーションをとっていることが伝わってきました。また、挨拶をしたら挨拶が返ってくる様子をみて、あたりまえのことをあたりまえにできることが素敵だなと思いました。
五島
いい意味で、あまりシステム化しすぎていないところがいいなと思いました。具体的には、各事業所へのお便りの配達の方法や、職員の方の柔軟な動きから感じました。また、職員さんと利用者さんとのやりとりをみて、フラットな姿勢を感じましたし、利用者さんに寄り添えるあたたかい場所だなと感じました。
野村
単純にまちの建物や土地を有効活用しながら事業所を拡大しているわけではなく、そこに地域の方々への貢献や地域の方々の理解が伴っていることが素敵だなと感じました。お弁当のさくらんぼの事業所も、立ち上げ時の利用者さんの実家を活用してできたと伺いました。30年前から地道に、着実に活動を広げ、あのエリアの障害者福祉を守ってきたことが本当にすごいことだなと思いました。

ーさくらんぼの会の皆様、見学させていただきありがとうございました!そしてつないでくださった服部さん、素敵なご縁をありがとうございました!

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