【インターン体験記】医療法人社団オレンジに飛び込んだ、ばたこさん4/5

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今回の記事は、「医療法人社団オレンジ」にインターン生として飛び込んだ、当時大学2年生のばたこさんのインターンの足跡をご紹介。ご本人のnoteに掲載したものを、特別に看たまノートに出張掲載していただきました。

地域の人の暮らしを支えるアプローチは多様なようすが、よく伝わってくるレポートです。ぜひじっくりご覧ください。

ばたこさん
この記事を書いた人・ばたこさん

2023年度から4年生の看護学生。看護学のほか、環境にも関心がある。趣味は河原や公園、港でごろごろしたり空をひたすら眺めること。
ばたこさんのInstagramはこちら→https://www.instagram.com/pandabatakopanda

目次

5日目 消防学校・みんなの保健室(新栄)

消防学校

この日は消防学校で行われた、紅谷先生のご講義を受講しました。

救急と地域医療の連携に際して、ご本人の意思や希望をくみ取って医療の提供や病院への搬送、時には看取りをしなくてはなりません。
しかし、ご本人が意識を失っていたり、危篤であったり、言葉を発することができないような子どもであったり、様々な状態が予測される中で、どのようにすればご本人の希望通りの人生を実現することができるのかを考えさせられたご講義でした。

緊急時に用いられる意思表明として、以下のものがあります。

①DNR:蘇生措置拒否
②POLST:最終段階の医療・ケア全般に関する医師の指示文書
③AD:事前指示
④ACP:人生会議

①と②は、医師が書くもの。③と④は、ご本人が表すもの。
今まで①②や、「③事前指示」として、「こうなったらこうしてね」というケースごとの指示を示すものが一般的でした。
しかし、指示のないケースに遭遇した際、どのようにすれば良いのか家族や医療職はわかりかねるという事態が起こり始めました。

そこで、紅谷先生はACP、すなわち「人生会議」を推進しておられます。
事前指示が特定のケースに対する対応を指示しているのに対し、人生会議はご本人の人生に対する考え方・価値観を共有します。
意識がなかったとしても、それまでの話し合いの中でご本人の考え方から、こういうときはこうするだろうという推測をすることができます。

紅谷先生はご講義の中で、以下の例を挙げておられました。

「自分が死んでしまうことに対して泣いている孫が可哀想だから、早く死にたい」と仰っていた方が、「成人式は見たいから延命してほしい」と突然仰った。

医療の視点から見ると、延命治療の有無で矛盾した考え方だと捉えます。
しかし、ご本人からしたら、「孫を想って」という一貫した思いがあるので、全く矛盾しません

この例にあるような、ご本人の「人生における軸」を見いだしていくことがこの人生会議の大きな目的となることを学びました。

医療職として、そうでなくてもいち住民、知人、友達として、様々な人の人生会議に参加し、よりたくさんの人が幸せになれるよう奔走する人になるために、自分は何をすれば良いのか、何ができるのか、考えていきたいです。

ただ、私は自分の軸でさえも曖昧で、自分の価値観が医療的判断に大きく関与する事態をはっきり想像できていません。
でも、そういった事態はいつ起こるかわかりません。明日かもしれないし、5分後かもしれません。

そんな先の見えない人生の中で、早いうちに身近な人たちと人生会議を開き、自分や自分の大事な人たちの価値観や軸を明確にすること、今一緒に考えられる時間を愉しみ、かけがえのない経験とすることが大切だと思います。
今ある当たり前がずっと続くとは思わず、大事な人との貴重な時間を過ごしていきたいと改めて思いました。

みんなの保健室 新栄

午後からは新栄の「みんなの保健室」で研修させていただき、少しでしたが川瀬さんともお話しさせていただきました。

宝永の「みんなの保健室」とは少し異なって、血圧計や人体の仕組みが描かれたもの、キッズスペースなどがありました。
駅の近くにあるということで老若男女様々方が来られ、思い思いに話をしたり作業をしたりされるのだそうです。
元看護師の方もボランティアとして参加されていて、とても和やかな雰囲気でした。

中に入り、来られていた方とお話しさせていただきました。
私はそれまでコミュニケーションが少しコンプレックスで、こういった研修ではつい「運営」対「利用者さん」という枠に囚われていましたが、ここでお話しするときは「単なる人」としての私で自然にお話しすることができて、自分でも驚きました。
ここの「いつまでも居て良いんだな」「自由に過ごしていいんだな」と思わせる雰囲気がそうさせてくれたのだなと感じました。
また川瀬さんご自身も、そういった雰囲気づくりを心がけておられるそうです。

とてもまったりとした、素敵な時間でした。
一人暮らししている家の近くにあったらいいなぁと強く思いました。

6日目 荒島旅舎&大野市研修

荒島旅舎

勝山オレンジクリニックの池口先生が運営に参加されている、「荒島旅舎」にお邪魔しました。

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荒島旅舎 外観

1階には読書スペース・大きなテレビ・バーなどがあり、2階以上がゲストハウスになっています。
1階で池口先生とお話ししたり、内装を拝見したりしました。

そして感じました。

居心地が良い…!!

一人のんびり読書をすることもできれば、居合わせた人とお話しすることもできる。
隣の美味しいコーヒー店(モモンガコーヒーさん)のコーヒーと一緒に作業を進めることもできる。
それぞれが思い思いに過ごし、人が集まれば自然と会話が始まる、ゆったりとした時間が流れる空間でした。
またお話をしに来られる方や常連さんもおられるそうで、この「場所」を拠点に人と人とのつながりができていっていることを実感しました。

第三の居場所づくりも将来のやりたいことの1つにある私にとって、この「荒島旅舎」や「みんなの保健室」の和やかな雰囲気づくりをもっと勉強したいなと思いました。

池口先生とお話

病棟で看護師として働く。
保健所や保健センターで保健師として働く。
企業で産業保健師として働く。
訪問看護ステーションで看護師として働く。
地域の診療所で看護師として働く。
大学院に行って専門看護師や認定看護師になる。
全く看護や医療とかとは関係のない職につく。
誰かに養ってもらって生きる。
働かない。
…などなど。

私の目の前には数多の選択肢があります。
そして、親には何になりなさいなどとは言われず、自由に生きてと言われている。
だからこそ、どんな道に進むことが私にとっての幸せなのか、よく考えて、悩んで、楽しくて、少し苦しい。
そんな日々を送っています。

そんな中、池口先生とお話しし、アドバイスを頂き、自分の将来についてより深く考えるきっかけとなりました。

最も印象に残ったのは、「自分という専門になれ」というお言葉です。

看護師として働くにせよ、保健師として働くにせよ、それ以外にせよ、それぞれにそれぞれの専門性があって、実際に働きながら探るしかない。
地域のことは地域の中でしかわからない。
病棟のことは病棟の中でしかわからない。

それぞれの場所で、専門性を学ぶ方法を身につけることが大切で、自分がやりたいスタイルの中で足りない知識は何か、何を勉強すれば良いのかをその都度明らかにして学び続ける。
ずっと自問自答を繰り返していくことが大事だと教えていただきました。

まずは自分のやりたいことの方に進んでいき、そこで働き、学び、考えることで次のステップが見えてくるのだなと感じました。

大野研修

その後は勝山オレンジクリニックでの研修でもお世話になった下田さんと一緒に、大野市を歩いて回りました。
そこでの学びはこちらのnoteにまとめたので、是非ご覧ください。

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