【ちいここ】熊本県甲佐町で地域医療合宿を開催しました

2023年3月、熊本県甲佐町にて、2泊3日の地域合宿を実施しました。現地の熊本大学の学生をはじめとして、北は北海道大学から南は琉球大学まで、各地から14名の学生が集まり、地域の医療やまちづくりについて体験しました。学生から医療者、まちのひとと、幅広い交流ができる3日間となりました。

~「ちいここ」とは~
『「地域と医療」のすべてがここにある』という意味の略称で、医療系学生のオンラインコミュニティです。オンラインの繋がりに留まらず、医療系学生を対象とした合宿やツアーや イベントを定期開催しています。

ちいここさんのTwitterはこちら👉https://mobile.twitter.com/chiicoco_iryou

目次

開催背景

熊本県甲佐町で地域の医療を担う谷田病院の取り組みと、甲佐町のまちづくりが面白いと聞き、その実際を見て体験すべく企画しました。

合宿の概要

Day1.甲佐町の医療を知る

①訪問鍼灸、訪問看護、訪問診察、訪問リハ同行
幅広い職種の方の、訪問診療に同行しました。特に訪問鍼灸は、私たち学生が普段滅多に触れない分野です。患者のホームにいる人対人の関わり合いを見ることができました。

②臨床検査技師さんのお話
甲佐町では、技師さんが地域に出て活動しています。訪問や健康診断で、検査値のスペシャリストだから分かることも多くあるそうで、その活躍や思いを伺いました。

③夜勤体験
看護師さんたちの夜勤に付き添わせていただきました。患者さんの入れ歯の手入れのお手伝いなどをしながら、夜中の病棟の雰囲気を体験しました。

④古民家宿泊
空き家を改装中の、古民家に宿泊しました。職員さんの子供達とも触れ合いました。今後、地域の方が交流できる場として使われるのを目標にしているそうです。

Day2.甲佐町のまちづくりを知る

①まちづくり/病院経営ご講演
事務長の藤井さんより、甲佐町のまちづくりと病院経営について伺いました。人との交流が健康のヒントだと学びました。場づくりの実践と、病院の経営的視点についても知ることができました。

②まちの職場体験
古民家ホテル、パン屋さん、農園、キャンプ場&カフェ、料亭、古民家レストラン、スポーツクラブチームに分かれて職場体験をしました。全力で体を動かし、お話を聞き、薪を割り、普段し得ない体験ができました。

③まちのひととの交流@古民家
馬刺しやカレーをいただきながら、職場体験で知り合った方々と語り合いました。それぞれの人生に触れたり、アイディアを出し合ったりと楽しいひと時を過ごしました。

Tさん
今後、人間関係を意識して過ごすだけでなく、農業や経営など今まで触れてきたことないさまざまな分野にふれていき、自分なりに「相談しやすい関係性」をつくるにはどうすると良いか考えていこうと思います。
Oさん
どのような場所でも自分らの街に愛着を持って仕事に取り組む方々の思いや熱量は、職種問わず共通するものがあるということを感じました。

Day3.医療者と家族の関わりを知る

①看取り家族のお話し
ご自宅でお看取りをされた患者さんのご家族より、お話を伺いました。当時の真摯な思いについて、振り返ってお伝えいただきました。

②女性医師のお話し
ドクターの柳原先生より、キャリアに関するお話を伺いました。国際医療や地域医療と、学生時代より幅広く活動される先生のこれまでから、在り方や感じ方に触れました。

合宿を通しての気づき・学び

Nさん「医療系学生と対話できたことも貴重な経験でした」

今まで自分の思いを頭の中でぐるぐると考えるだけで、なかなか言葉にして人に話す機会はなかったので、今回の機会がとても嬉しかったです。他の医療系大学生の活動や思いを聞くことも、大変刺激をいただきました。今後は、自分の思いを大切に、行動力を高め、卒業後のキャリアについて最適解を見つけていきたいと思います。

Sさん「地域医療の手段の多様性を知りました」

地域医療というと医療機関でのケアばかりに注目が行きがちですが、地域医療の本質は医療機関ではなく地域そのもの、そして地域住民そのものであるかのように感じました。そのため、地域の産業や教育全てが地域医療なのだと思います。

Nさん「地域にある物を活かして、新しい文化を作り上げる営みが地方創生になる」

今回学びになったことは、地域にもともとある物を活かして、全く新しい文化を作り上げる営みが地方創生になるということです。そして、藤井さんが講演で仰っていた「『こんな話があった』で終わってしまうことを掬い上げて、議論して実現する」という言葉は、この地方創生を実践してきた方だからこそインパクトがありました。

ちいここ運営より

学生自身の「やってみたい、見てみたい」に焦点を当て、フレキシブルな体験を形作っていただきました。その場その場ならではのトラブルもありましたが、振り返ると試行錯誤も含めて充実した経験となりました。

企画段階で、谷田病院理事長の藤井さんやドクターである柳原先生より、「どんなプログラムだと楽しいか」を一から考えながら実践させて頂き、本当にワクワクする合宿となりました。今後もますます発展していくという甲佐町。ぜひ定型化してよりたくさんの学生にこの街を体験して欲しいなと実感しています。

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