コミュニティナースの考え方を全国の看護学校に届けるプロジェクト「全国ぶっコミプロジェクト」が、8月19日(木)に「【横山太郎×矢田明子スペシャル対談】持続可能なコミュニティナースの育て方-横山医院の挑戦-」を開催しました。当日は、横山医院在宅・緩和クリニック 院長:横山太郎先生と、Community Nurse Company株式会社 代表取締役社長:矢田明子さんが登壇し、コミュニティナースの育成について語りました。
横山医院での取り組み
支援者の育成「竹山団地プロジェクト」
市民(住民や学生)に、さまざまなカタチで医療に参加できる機会をつくっています。
高齢化率42.7%の団地の中で、スマホ教室を開催。神奈川大学サッカー部が団地の一部を寮にしているので、学生とコミュニティナースが中心となり「スマホセンター」を展開。
それぞれの教育哲学とは?
医学や看護の世界では、エビデンスベースの答えが教科書に詰まっていることを指摘した矢田さん。大学に進学した当時も、「もっと答えのないものを学習し続ける筋トレをすると思っていた」といいます。コミュニティナースの世界で答えをコレと決めてしまうと、A町ではできるけどB町では通用しないことが起こるからこそ、「答えのないものを学習し続ける集団になったらいい」とコミュニティナースの同期どうしの関わりや、コミュニティナース研究所(オンラインサロン)の動きについて触れました。
横山先生は、共に育つ「共育」を掲げています。WHOの健康の定義では、肉体的、精神的、社会的健康が謳われています。肉体的な部分は横山先生が教え、精神的・社会的なところを得意とする人が、肉体的な部分が得意な人(横山先生)に教えられたらよいのではないかと考えています。教え合う、学び合うことを大切にしています。
単なる勉強会でも、スタッフは一生懸命メモを取っているが、その後身になっている実感がなかった横山先生。ところが、クローズドな勉強会にして、一緒にカルテを開いて担当の患者さんを例にレクチャー・ディスカッションしていくと、スタッフの勉強への姿勢が変わったというエピソードもご紹介いただきました。
「学ぶ」環境について
答えのないものを探っていく上で、横山医院のように、横山先生はじめとする身近な応援団を形成できていることは強みなのかもしれません。
コミュニティナースを育てたその先
横山先生は、コミュニティナースに関わるナースは、たまに医学に弱いところもあるのではないかと指摘。だからこそ、横山医院で学びながらコミュニティナースする人には、横山先生の専門であるがんを徹底的に教える考えです。がんも看れる、コミナスもできることで「コミュニティナース」でご飯を食べていくことを実現しています。
また、「コミュニティナース」の肩書きを省いても、他の施設でも通用するような武器(横山先生の言葉では「ドラクエでいう職業」)を増やすことで、横山医院を卒業した先でコミュニティナースを植え付けられる人が増えるのではないかと考えています。
また、横山医院では兼業することを勧めています。横山先生が提供する学びを、スタッフが他の施設・ステーションなどにも伝えてくれる可能性があり、かつ間接的にお付き合いのある事業所と将来的に地域活動を共にできる可能性を見出したからだそうです。横山医院として人材を囲うのではなく、業界・社会全体の未来を見据えた取り組みを行っています。
横山医院には、コミュニティナースを育てる環境がある
実際に横山先生のもとで学ぶコミュニティナースの方々のお話も、気になる方はぜひ動画のアーカイブをご覧ください。
横山医院 在宅・緩和クリニックは、コミュニティナースしたい医療者を応援しています。
横山先生、矢田さん、濃密な対談をありがとうございました!
現在、コミュニティナース研究所では、コミカレ(コミュニティナースに関心のある学生の学び合うコミュニティ)のコアとして活動しています。全国の看護学生にコミュニティナースの考え方をインストールする「全国ぶっコミプロジェクト」も進行中!
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