看たまノートの読者のうち108名にご協力いただいたアンケートでは、奨学金を活用している人が38%でした。専門学校や私立大学の学生からの回答が少数派だったため、日本全体ではもっと奨学金を活用する学生の割合は大きいと推測されます。
やはり多くの学生にとって、あるいは親御さんにとって気になるのが学費。今回は、「My奨学金」のサービスでおなじみのCronoさんとのコラボ企画として、さまざまな奨学金を活用した先輩看護師さんから、奨学金の活用の仕方と種類についてご紹介いただきました。貴重な体験談が詰まっておりますので、ぜひご活用ください!
今回お話いただいたのはこの方!

6年目看護師。東京医科大学医学部看護学科を卒業後、大学病院に就職。その後、施設看護師(特別養護老人ホーム、デイサービス)に転職し、現在に至る。看護師として働く傍ら、奨学金勉強会や医療従事者向け勉強会コミュニティ「H△T」の企画・運営している。
奨学金の種類と用途
奨学金には大きく2種類あります。
奨学金の返還が必要な『貸与型』
貸与型は、簡単に言うと借金です。奨学金によって利子が異なるため、調べ、比べてみましょう。利子がない場合や、条件を満たせば返還が免除される場合もあります。


代表的な貸与型奨学金
・日本学生支援機構の貸与型奨学金
支援の対象となる大学・短大・高専・専門学校一覧で、自分の在籍している学校/進学予定の学校が当てはまるかどうかを確認してみましょう。貸与型はもちろん、2020年度から給付型の奨学金も取り扱っています。進学資金のシミュレーターで自分が受け取ることができる奨学金について調べることもできます。
金利:年0.1%~年0.5%
・病院奨学金
一定期間指定された病院で働くことを条件に、病院が学費を肩代わりする仕組み。
奨学金の返還が不要な『給付型』
返済義務がない奨学金です。奨学金を申請するために「住民税非課税世帯」及び「それに準ずる世帯」でかつ「優秀な成績を修めている」という条件が求められるものが多くあります。メリットが大きい代わりに、条件が厳しいものが多いことが特徴です。
加藤さんが活用した奨学金
加藤さんの学校の学費は4年間でおよそ670万円(入学金含む)だったため、加えて4年間分の生活費・交際費・実習の交通費・教科書代をカバーできる十分な資金を確保する必要がありました。学資ローンは入学金のために利用していました。1年生はアルバイトしなければ苦しい状況だったため、2年生からアルバイトしなくてもいいように奨学金を見直し、画像の通り貸与型・給付型・ローンを組み合わせて利用していたのだとか。
野村:加藤さんはなぜ大学に進学したかったのですか?
加藤:専門学校への進学も検討しましたが、どうしても学問として看護を勉強したくて、大学に進学しました。私大なので学費が高かったことはもちろん、アルバイト代を家計にも入れる必要があったので、1年生のときは扶養から外れないギリギリの収入までアルバイトをしていました。勉強したくて大学に進学したのに、アルバイトに追われる状況に悩んでいたとき、奨学金という選択肢に出会いました。
給付型奨学金は学校の掲示板で知って応募しました。月に10万円という金額はもちろん、奨学生向けの学びの場がとても良かったです。とくに井上和子スカラーシップは成績が優秀か否かや所得は関係なく、志の高い学生を育てることを目的としているので、所得や成績でチャレンジすることに躊躇している方もとりあえず応募を検討してみてください。
奨学金の返済状況の例
加藤:東京医科大学の奨学金(病院奨学金)は返済のルールが複雑でした。2年間勤務したため一部が返済免除となっています。もともと在宅領域にチャレンジすることを視野に入れていたので、辞めても困らないよう、残りを一括返済するためのお金を貯金していました。
野村:将来を思い描いていたからこそ、返済する計画を考えていたんですね!
加藤:そうです。クレジットカードを使わないようにしたり、口座を貯金用・生活費用・引き落とし用の3つに分けたりして徹底的に管理していました。現在は、日本学生支援機構の貸与型奨学金と民間の学資ローンを合わせて、3.5万円/月のペースで返済中です。
加藤さんの思う奨学金のメリット・デメリット
メリット
- 学生時代に時間を確保できた
- お金を理由に「諦める」ことが減った
- いろんな経験ができ、いろんな人と繋がることができた
- 多くの学びを得ることができた
野村:加藤さんは学生時代、公衆衛生に関する海外プログラムに参加されたのだとか!現在はコロナ禍で諦めている人も多いですが、それ以前に、お金を理由に留学や海外研修を諦めている人も多いと思います。確かにお金は障壁になりやすいですが、「どうやったら行けるか」を考えて突き進んだ加藤さんの姿勢が参考になるなと思いました。
デメリット
- 返済期間が長い
- 複数の奨学金を返済するとそれぞれの額がさほど高くなくでも合計額でみると年間かなりの支出となっている
加藤:現在、月に3.5万円ずつ返済していますが、12ヶ月分を合計すると42万円になります。「無理なく返済できる」と思っても、年間を通して見るとなかなかの額になるので、給付型などをうまく活用できると良いと思います。


加藤さんからのメッセージ
各学校のカリキュラムによって、お金のかかる時期やバイトなどができない時期が異なります。まずは自分が通っている/進学したい学校カリキュラムを調べ、逆算して奨学金を活用しましょう!
奨学金はあくまでも手段です。学費や生活費を賄う中で、なぜお金が必要なのかをきちんと考えると、借りすぎてしまわずに済むと思います。私のように授業料や生活費全額を奨学金で賄うとかなり大変ですが、それでも学生時代にお金に変えられない価値のある経験をたくさんすることができました。
皆さんにとって、より良い学生生活が送れるために、うまく奨学金を活用して欲しいですし、素敵な看護師が増えるといいなと思います。
ーーー加藤さん、貴重なお話をありがとうございました!
奨学金をうまく活用することで、学生生活が豊かになることが伝わってきました。また、貸与型の奨学金やローンを活用する際には、計画的に利用することが重要だと分かりました。これから看護学校に進学する方、奨学金をすでに利用している方、これから申請しようか迷っている方に届いてほしい内容でした。ありがとうございました!
在宅領域で働いている・働きたい医療 / 介護プレイヤー向けのコミュニティ「H△T」
「H△T(ハット)」では、勉強会を数多く主催しています。たくさんの職種の方が所属しており、「もっと学びたい」と考える社会人・学生が集まっています。なんと学生はコミュニティへの参加費や勉強会への参加費が無料です。要チェックだ!
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My奨学金
「My奨学金」は株式会社Cronoの奨学金検索サービスです。奨学金の情報は各学校や財団が独自に発信していることが多く、さらに条件が自分に当てはまるかどうかを調べるのも一苦労です。そんな悩みを解決するのが「My奨学金」です。無料のLINE会員登録をすれば、入学予定・在学中の学校に合わせて応募可能な奨学金を見つけることができます。ぜひご活用ください✨
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