看護師になりたいと考えている高校生のみなさんは、どのように学校を選びますか?日本では、看護師になるための学校の種類が多く、どのルートで看護師を目指したらよいのか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
今回は、実際の高校生の疑問と先輩看護学生のアンケートの回答を照らし合わせながら、進路の選び方に関するお悩みを解決していきます。

この記事を書いた人・のむちゃん
高校3年生はいよいよ本格的に受験する学校を決める頃でしょうか。高校1〜2年生のみなさんは、今年はオープンキャンパスに行けましたか?ちなみに私は高校3年生のときに「看護学校に進もう!」と決めました。みなさんも焦らずゆっくり考えてください。迷ったら、看たまノートの周りには相談に乗ってくれる先輩看護学生がたくさんいますよ〜!
看護学校の種類
看護師になるための勉強をする看護学校はいくつかあります。高校生の方々からは、専門学校と大学の違いについて、よく質問を受けます。どのような基準で学校選びをするとよいのかみていきましょう!
看護師になるために行く学校
看護師になるための方法はたくさんあります。高校生の時点で看護師への道を選択する、5年一貫校などがありますが、ここでは普通科(看護科以外)に通う高校生の方が、正看護師を目指すルートをご紹介します。
高校卒業後に看護師を目指すルートはこの3つ!
画像:公益社団法人日本看護協会より
- 4年制大学の看護科
- 3年制短期大学の看護科
- 3年制看護専門学校
それぞれの学校の特徴をご紹介します。
4年制大学の特徴
特徴①専門科目以外に教養科目も学ぶ
4年制の大学の特徴は、解剖生理学、病態生理学などの専門科目以外に、英語や第二外国語、経済学や物理学などの一般教養科目を学ぶことが多いです。総合大学では科目の種類が幅広く、単科大学ではある程度選択できる教養科目が絞られる傾向にあります。
特徴②比較的時間を作りやすい
専門学校や短期大学と比較して、長期休みがしっかり確保できます。長期休みを活用して留学に行ったり、長期インターンに挑戦したりする先輩看護学生もいます。まとまった時間を確保して、ほかのことにチャレンジしたい方には大学がおすすめです。



特徴③助産師や保健師の資格を取得できる大学がある
看護学の学位を取得できるため、大学院への進学が可能になったり、4年間のうちに助産師や保健師の資格を取得することも可能です。近年はそれぞれの専攻課程に進むために、選抜試験が課されることがほとんどなため、学年の人数に対してどのくらいの定員があるのかを確認すると良いでしょう。
短期大学や専門学校の特徴
特徴①早く働き始めることができる
3年制の短期大学や専門学校の特徴は、大学より修学期間が1年間短いことで、早く社会に出られることです。その代わり、初任給が大学卒よりも1〜2万円少なく設定されている病院もあります。
特徴②学費が抑えられる
特に専門学校は学費が抑えられることが特徴です。病院奨学金が充実していたり、社会人の方への門戸が広かったりと、さまざまなニーズに応えています。もしも大学への進学について、学費を理由に諦めている方がいたら、奨学金の種類や活用方法について調べてみましょう。




先輩看護学生の学校選び
2022年に看たまノートが行った看護学生へのアンケート調査*では、先輩看護学生に「進学時、何を重視して学校を選んだのか」を聞きました。110件の回答のうち、多かった意見がこちらです。
看護学生へのアンケート調査*…看護学生の実態調査2022、実施期間:2022年3月〜2022年4月
- 立地
- 偏差値/二次試験の科目
- 保健師課程、助産師課程の有無
- 学校の雰囲気・設備
- 学費
- カリキュラムや教育方針
- 国家試験の合格率
偏差値を参考に学校選びをしている先輩看護学生も一定数いますが、近年は出身校で派閥が分かれることもないので、安心して自分の行きたい学校を選べると良いですね。
保健師課程、助産師課程の有無に着目している先輩看護学生もたくさんいました。4年間の勉強で取得できるなら、学費の面でもお得感があります。しかし、通常カリキュラムに加えて追加の実習・演習・授業があるため、かなりスケジュールがハードになります。「ゆっくり勉強したい」という理由で、大学院で資格取得を目指したり、1年間養成校に通う先輩もいます。自分に合った目指し方を考えながら学校選びができるとGOOD。



オープンキャンパスは行くべき?
実際に通う想定をして交通手段を確認したり、学校の雰囲気を感じるには、オープンキャンパスや学校説明会に行くのがおすすめ。2022年に看たまノートで行ったアンケート調査では、オープンキャンパスへ足を運んだ学生は半数を超えています。
「実際に足を運ぶことで勉強のモチベーションが上がった」「優しい先生が多いことがわかって安心した」「先輩と話す時間を設けてもらい、雰囲気を掴めた」という意見が多くありました。
実際の授業の様子や学校生活については、オープンキャンパスで知ることが難しいという意見が多くありましたが、パンフレットに載っていない情報を知る機会として、対面やWEBのオープンキャンパスを活用できるといいですね!
先輩看護学生が重視した学校選びのポイントを参考に、自分はどの点を大事にしたいのかを考えて進学先を選んでみてはいかがでしょうか。
看護学校進学前の高校生が抱える疑問3選
ここからは看護学校について、高校生が抱えている3つの疑問を解消していきます。
Q.1 看護学生は忙しく大変だと聞きます。どのように乗り越えていますか?
看護学生に対して忙しい、大変そうなどの意見が多く、看護学校を目指したいと思っていても不安を抱えてる高校生の方は多いようです。実際に看護学生が忙しいのは事実ですが、時間を管理する力をつける機会になると思います。
また、同じ目標に向かって頑張る仲間と切磋琢磨しながら過ごすので、看護学校に進学するまでは不安でも、進学後は不安を分かち合いながら頑張れることが多いと思います。また、頑張りすぎてしまう子もいるので、「疲れたら休んでもいいんだ」と思えることも大切かもしれません。
Q.2 実習は何をするんですか?
多くの場合、患者さんを一人受け持ち、患者さんとの関わりやカルテからの情報をもとに、アセスメント・関連図・看護計画などの実習記録を書くことになります。アセスメントでは、患者さんの身体に何が起きていて、ご家族やこれまでの生活を知り、これからの患者さんの生活を考えるにあたって何が問題になりそうなのかを整理していきます。
この患者さんを取り巻く全体像を把握するうえで、地図のような関連図を書いて、浮かび上がってきた問題点と、その優先順位を整理して、看護計画を立てる・・・という流れです。短期間で計画を立て、実践するまでを行います。体も、頭のなかも忙しい〜!
Q.3 病院に就職する際、最初から希望している科に就職できるものですか?
「子どものころ、お世話になったから小児科に就職したい」と思っている方もいるかもしれません。病院実習でさまざまな病棟で学ぶうち、「この診療科に行きたい!」と思える場所があるかもしれません。
しかし、病院の多くは、診療科ごとに看護師を採用するのではなく、病院単位で看護師を採用します。つまり、必ずしも希望の科に配属されるかどうかはわかりません。就職説明会では、「なるべく希望を聞きます!」「第3希望以内には配属されます!」とアピールしている病院も多いので、安心できるのではないでしょうか。
また、看護師長さんなどとの面談を通じて、適性に応じて配属される場合もあります。希望ではない科で学ぶことになっても、意味ある成長の機会だと捉えられると良いですね。
Q.4 ぶっちゃけ、学校はどこも同じではありませんか?
半分正解で、半分違うと思います。例えば、この記事では、附属の看護学校の有無で半年間通う実習の交通費が異なる話題が出ています。また、奨学金が充実している学校、国際看護や災害看護に力を入れている学校、キャリアのサポートが充実している学校、他学部・他学科と交流ができる…etc
これだけ見ても、学校によって違います。実習内容や国試対策はどこも同じように力を入れていますが、あとはどこで差別化を図っているのかをぜひ見てみてください。先輩看護学生の一部が「カリキュラムや教育方針」で学校選びをしている点にヒントがあるはずです。
看護学校の選び方まとめ
いかがでしたか?看護学校を選ぶ際には、先輩看護学生たちは
- 立地
- 偏差値/二次試験の科目
- 保健師課程、助産師課程の有無
- 学校の雰囲気・設備
- 学費
- カリキュラムや大学の方針
- 国家試験の合格率
などに注目していました。自分なりの重視したいポイントを絞って学校選びができると良いですね!また、大学と短大・専門学校との違いを次のようにご紹介しました。
看護師になる道のりは楽しいことばかりではありませんが、さまざまな働き方ができることが魅力だと思います。高校生のみなさんが看護職を目指す過程で、この記事が力になれると良いなと思っています。より良い学校生活が送れることをお祈りしています!
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