【インターン体験記】医療法人社団オレンジに飛び込んだ、ばたこさん5/5

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今回の記事は、「医療法人社団オレンジ」にインターン生として飛び込んだ、当時大学2年生のばたこさんのインターンの足跡をご紹介。ご本人のnoteに掲載したものを、特別に看たまノートに出張掲載していただきました。

ばたこさん
この記事を書いた人・ばたこさん

2023年度から4年生の看護学生。看護学のほか、環境にも関心がある。趣味は河原や公園、港でごろごろしたり空をひたすら眺めること。
ばたこさんのInstagramはこちら→https://www.instagram.com/pandabatakopanda

目次

7日目 吉田詩織さんのお宅に訪問

この日は訪問看護で、下田さんとご一緒し、吉田詩織さんのお宅に訪問しました。
詩織さんは、脳性マヒのために自身の力で日常生活行動を実行することができず、ヘルパーさんや訪問看護の力を借りて生活しておられます。
言葉も昔は話せなかったそうですが、練習を重ねることでなんとか言語を10歳の頃に獲得し、今ではとても流暢に会話することができておられました。

幼い頃は病院で過ごされ、今は一人暮らしをしておられます。そのまま病院や施設にいて必要なときにサポートを得ることもできた中で、何故一人暮らしをしようと思ったのか伺いました。

「病院から抜け出したかった」と話す詩織さん。

病院ではどうしてもケアが中心になってしまい、生活の部分がないがしろになってしまう。

「ご飯の時間です。さあ、食べましょう」ではなく、「ああ、お腹すいたな。何か食べよう」という暮らしをしたい。

そんな思いから、詩織さんは一人暮らしをすることを決めたと仰っていました。

私はこのお話を聴いて、どんな人にも共通するお話だなと思いました。

病気になったからといって、ずっと病院にいたくない。
ケアもしないといけないけど、それでも生活を優先させたい。
自分らしく、自分のやりたいことをやって好きな場所で生きたい。

こういった思いは誰にだってあるのではないでしょうか。
そんな思いを実現するため、オレンジさんは奔走されているということを学びました。
治療にとどまらず、生活も総じて考えていく
この考え方を、将来私が働くとき大事にしたいです。

詩織さんの強み

お話しする中で、詩織さんの強みを伺いました。

詩織さんの強みは、「人の話をじっくり聞いて、その人の強みや良さを見いだすこと」だと仰っていました。

私のややこしいプロフィールも一発で覚えてくださった詩織さん。
相手のことを良く知ろうと意識されていることが伝わってきました。

相手に興味を持つ。これはコミュニケーションの基本だと思います。
しかし私は、本当にその人に対して興味を持っているのか時々わからなくなります。
そんな自分が嫌で自己嫌悪に陥ることが多々あります。

そんなお話をすると、詩織さんは、

まずは、自分のことを好きになること、褒めること。
私は自分のことが大好きで、生まれ変わってもまた私になりたい。

と、にこやかに、あっさり仰いました。

無敵だな、と思いました。

嫌な部分も含めて、自分。
そんなところもまた愛すべきだということに気づかされました。

そして、そんな愛すべき自分の「やりたい」を諦めないこと。

詩織さんは、以前、カツ丼が食べたくてお店に行きました。
しかし、そのお店の入口にはスロープがなく、車椅子で入ることが難しかったそうです。
そこで諦めないのが詩織さん。
お店の人や近くに居た人に手伝ってもらい、入店し、カツ丼を食べることができたそうです。そしてとっても美味しかったそうです。

スロープがない、段差があって車椅子では入れない。
そんな理由のために、自分のやりたいことを諦めるくらいなら、どんどん他人を巻き込んで、「やりたい」を叶えていく。

そんなお話も伺い、勝見さんが「詩織さんはすごい人だ」と仰っていた理由がわかった気がしました。

すぐに自分の価値観に落とし込むことは難しいです。
でも、ちょっと意識することならできます。
自己嫌悪に陥りそうになった時、すぐに詩織さんのお話や笑顔を思い出し、強く乗り超えていこうと思いました。

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詩織さん、下田さんと!
ありがとうございました✨

番外編:たまたま来られた新田さんとお話し

この日、シェアハウスに戻ってマンスールさんが作ってくださったチャイを飲みながら、リビングでマンスールさんとお話ししていました。

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マンスールさんが作ってくださったチャイ
ほんのり甘く、茶葉の味がはっきりしていてとても美味しかったです!

すると、新田さんがシャワーを借りに来られ、少しの間お話しすることができました。

色々な方とお話しし、自分の考えを表現し、アドバイスを頂く中で、地域に出て働くことに心がずっしりと傾いていたため、そのことをお話しすると、看護師になって病棟で働くという選択肢はつぶさないように、と助言してくださいました。

なぜなら、臨床には臨床の楽しさがあるから。
対面実習も経験したことがなく、臨床看護の楽しさを知らないまま、選択肢を絞って視野を狭めてはいけない。
地域のことも、看護学も、両方学びたいんです!まだ迷ってるんです!でも今のところはこんなことしたいんです!って言えればOK。

ひとまず何事にも本気で取り組み、学ぶこと。その中で見えてきたものや経験をして上で、じゃあ本当に私のやりたいことは何なのか…を考えていけば良いんだと気づかされました。

ひとまずは「看護学」を本気で学び、ボランティアなどを通じて自分のやりたいことにも首を突っ込みながら、残りの大学生活を愉しんでいこうと思います。

8日目 まあるカフェ

いよいよ研修最終日。この日はオレンジさんが経営するカフェ、「まあるカフェ」で実際に働かせていただきました。

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画像:まあるカフェホームページより

西出さんとお話し

業務が始まる前に西出さんとお話させていただき、西出さんがどういった思いで働かれているのか、西出さんの強みはどういったところなのか、私のやりたいことについてもお話し、色々とアドバイスを頂きました。

オレンジさんの事業や西出さんの強みを、色鉛筆に例えてお話してくださいました。
カフェも看護も幸せを提供するという意味では同じ仕事で、ただ、その提供方法が異なるだけ。
「カフェ」や「医療」、「看護」といった様々な色を混ぜ合わせることで、新たな色を生み出し、より鮮やかに地域を彩っていく。
それが西出さんやオレンジさんの理想であり、実践しておられるところであることを学びました。

まあるカフェで勤務

食器洗いやお料理のサーブ、お席へのご案内などを経験しました。

今までこういった接客業に携わったことがなかったので、初めてのことばかりで、あたふた、ばたばたしているうちにその日の勤務が終わりました。

働く中で最も印象的だったことは、スタッフさんとお客さんの関係性です。
丁度卒業式シーズンだったこともあり、「ご卒業おめでとうございます!」「ありがとう~」という会話が自然と起こる。

また、「花粉症辛いね」「そうですね~」という会話が起こる。なかなか私が知っている普通のカフェでは見られない光景を見ました。
この「まあるカフェ」という場所を通じてつながった、お客さんとスタッフという関係性を超えた関係が作られる場所なのだなということを学びました。

私もそんなお声かけができれば良かったのですが、業務に精一杯で余裕がありませんでした…。
またリベンジしたいです!

ちなみに、まかないとして「ボルガナーラ」をいただきました!

ボルガナーラ♡ まあるカフェホームページより

カツが乗って卵にとじられているパスタで、ボリューミーでとても美味しかったです♡
普通にお客さんとしてもまた訪れたいと思いました!

まあるカフェ店長・冨居さんとお話し

翌日冨居さんとお話しさせていただきました。
冨居さんのこれまでの経歴や、今興味のあることについてなど、たくさんのお話を聞かせていただき、常に自分は何をやりたいのかを考えながら行動され、豊富な経験を経て、今このまあるカフェで働かれていることを知りました。

中でも印象に残ったことは、「人とのつながりもいいけど、場所とのつながりも大事にしたい」とおっしゃっていたことです。

人とつながることはもちろん楽しいし、嬉しいし、生きがいにだってなる。でも、一人で考える時間も大事にしたい。

「看護とは何か」ということをひたすら考えている、と冨居さんは仰っていました。
人の幸せのために「看護」を使って自分は何をできるのか。
そんな、自分の幸せについて、誰かの幸せについて、自分ができることについてなど、ぐるぐる考える時間はとても大事で、そんなことを考えられる場所をつくりたい。

そして、「また来たいなあ」「ここに来れば元気になれるぞ」という場所をつくりたい。
そんな思いから、まあるカフェの店長になったと仰っていました。

今まで比較的「人と人とのつながり」を中心に考えていた私にとって、すごく印象的なお話でした。
「第3の居場所づくり」といっても、そこで出会う人達同士の対話や交流を主に考えていました。
しかし、ただ来るだけ、そこで過ごすだけで幸せになれる場所や空間をつくることも素敵だなぁ、やりたいなと思うようになりました。

まとめ

オレンジさんでのインターンの振り返りは以上となります。

まだまだ書き足りないくらい、たくさんの景色を見て、たくさんのことを学び、たくさん考えさせられました。
この経験は間違いなく私の人生にとって大きな財産になりました。
今回初めてのインターンでしたが、まだまだ見てみたい世界、経験してみたいことはたくさんあるので、勇気を出して挑んでいきたいです。

最後になりましたが、インターンの調整をしてくださった勝見さん、コミカレからオレンジさんに繋いでくださった野村さん、シェアハウスで良くしてくださったマンスールさん・渡部先生、最初不安と緊張でバックバクだったとき優しく丁寧にアテンドしてくださった小圷さん、大宮ハウスの皆さん、オレンジの皆さん、シェアハウスのご近所さん、この福井滞在の間に出会った全ての皆さん、本当に、本当にありがとうございました。

あたたかい方ばかりで、私はご縁に恵まれているなあと、何度出雲大社の御朱印を拝んだことか。

皆さんとの出会いは私の宝物です。
またいつか、どこかでお会いできることを心から楽しみにしております。
それまでどうかお元気で。
自分の気持ちに正直に、私や私の大切な人が幸せに生活する将来に向かって進んでいこうと思います。
本当にありがとうございました。

また、この拙く長い文章をここまで読んでくださった方、ありがとうございます。
これからも少しずつ自分の考えや学びを文章で表現していけたらなと思います。

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