耳の聞こえない患者さんにも安心を与えられる看護師に|看護学生・としみさんにインタビュー!

看護の勉強のみならず、育児や手話の勉強も両立させながら頑張る看護学生・としみさん(取材当時:4年生)。現在は、聴覚障がいや、耳の聞こえづらい患者さんでも安心できる医療を届けるため、手話のできる看護師を目指しています。としみさんが手話を始めたきっかけ、育児も勉強も両立させる秘訣とは?

今回の記事はこんな人におすすめ!

  • 手話に興味がある方
  • 看護師を目指す学生さん
  • 他の看護学生の過ごし方を知りたい人
  • ママさんナース

今回インタビューにご協力頂いたのはこの方!

としみさん

としみさん 

東京都出身。小学生の時のホームステイでの出来事と親戚の被災をきっかけに災害に携わる看護師になりたいと思い、4年制大学の看護過程に入学。育児、家事と両立し、4年間の学生生活を送りながら地域のサークルや東京都の手話講習会に通い、手話のできる看護師を目指しています。

目次

看護師を目指そうと思ったきっかけを教えてください

としみさん(以下、としみ):小学生のときに親戚が震災に遭い、自分も被災地に行き、災害を目の当たりにして恐怖と不安が記憶に残りました。その後、オーストラリアへ留学に行った際に病院を受診することになり、言葉が通じない中で不安を軽減してくれた看護師に出会いました。

症状も伝えられず泣いていたときに、現地の看護師さんが背中をさすってくれていてくれるだけで安心したのを覚えています。言葉が通じなくてもこんなにも安心感を与えてくれる存在がいるのだと気づきました。その看護師に憧れるとともに、この経験と被災地で見た被災者の方々の不安な状況とが重なり災害看護に携わりたいと強く思うようになりました。

手話に興味を持ったきっかけを教えてください

としみ:災害看護に携わる看護師になりたいと考えてから、災害現場や救急の現場で働くとき、どんな人が一番助けを必要とするのかを考えました。そこから耳の聞こえないろう者や聴覚障がいを持つ人はサイレンの音や緊急速報の音が聞こえず避難が遅れること、避難所でも耳が聞こえないことから支援物資が受け取れないなど、さまざまな苦労があることを知りました。そしてそんな人たちの力になりたいと思い、2年前から手話の勉強を始めました。

手話活動について教えてください

としみ:少なくても週に2回は手話に関わるようにしています。市で行われているサークルに参加したり、手話通訳者養成プログラムの講習会に行ったりします。それぞれ2時間ずつくらいなのですが、市のサークルの方では終わった後にろう者の方とご飯を食べに行ったりすることもあります。実習期間は忙しかったですが、ろう者の方に個人的に連絡を取り、手話カフェやランチの時間を共に過ごしていました。

インスタグラムの活動を始めたきっかけはなんですか

としみ:手話を学ぶにあたって、ろう者とのコミュニケーションは欠かせません。そのため、日本中のろう者と関わりを持てるのではないかという思いから始めたのがインスタグラムです。投稿したものを多くの人が評価してくれるので自分の手話表現のミスや同じ手話でも地域ごとに異なる地域手話の手話表現を教えてもらっています。日本だけではなく世界各地のろう者の方とつながることができました。

インスタグラムで「接客業でろう者の方ともお話しできるように手話を学び始めました!」というメッセージをいただいたときや、同じ看護学生や現役の看護師さんから手話の勉強を始めて、私の投稿が役立ってるとメッセージを頂いたときはとっても嬉しかったです。手話がもっと広まり、少しでも多くのろう者が医療の世界において安心できる世の中になったら嬉しいなと思います。

としみさんのインスタグラムはこちら➤https://www.instagram.com/heartful_hand_signs_/

看護学生生活との両立について教えてください

としみ:根性です。私は高校3年生の時に妊娠、妊娠中につわりと闘いながら受験を経て看護学生になり、大学1年生の夏休みに出産をしました。育児をしながら看護学生としての生活も送っていました。

子どもがいるからと言って、できないことを言い訳にしたくない想いが強くありました。子育てを理由に自分だけひいきしてもらおうという気持ちはなく、絶対にやりきるという思いでどんなことでも頑張りました。特に実習では母性領域や小児病棟で、自分の気持ちが移入してしまったり、自分の子どもに重ねてしまったりと心への負担がありました。しかし、これから多くの疾患を抱える患者さんと向き合う中でそんなことは言ってられないので、一人一人の患者さんとのコミュニケーションや個別性を大切にして関わっていきました。

将来はどのような看護師を目指していますか?

としみ:将来は災害拠点病院で働きながら手話のできる看護師として医療通訳も行いながら働いていけたらいいなと考えています。手話を通して言語的マイノリティである聴覚障がいを持つ方にも安心できる支援が看護師としてできるようになりたいです。

また、患者さん一人一人と向き合えるような看護師になりたいと思っています。表情から患者さんの感情に目を向けたり、すれ違ったら顔を見てあいさつをするなど、基本的なことから患者さんの不安な気持ちを軽減していけるような看護師になりたいです。

最後に、看護学生へのメッセージをお願いします!

としみ:毎日の勉強、実習、たくさん辛いこともあると思いますが、辛い経験をするほど、より患者さんに寄り添える看護師になれると思っています。最後まであきらめずに頑張りましょう!夢は諦めなければ絶対叶います!!

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