新卒訪問看護師の成長日記|6・7月編

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新卒で訪問看護の道に進んだ野村奈々子(のむら ななこ)さんが、就職してからの学びや葛藤をまとめてくださいました。入職から3・4ヶ月目、どんな気づきや学びがあったのか?ぜひ新卒で訪問看護師になろうとする人の参考になれば幸いです。

今回の記事はこんな人におすすめ

  • 新卒で訪問看護の道に進もうか迷っている人
  • 新卒を受け入れようとする訪問看護事業所
  • 新卒で訪問看護師になった人

野村奈々子(のむら・ななこ)
2023年春に大学を卒業し、宮城県登米市にある医療法人やまとの運営するやまと訪問看護ステーションにお世話になっています。

やまと訪問看護ステーションは、看護師8名、理学療法士3名、作業療法士1名(2023年7月現在)のステーションです。同じ建物内にやまと在宅診療所があるので、診療所の先生や看護師さん、アシスタントの方々に相談できる環境がありがたいです。
https://tome.yamatoclinic.org/others/homecare_station/

目次

訪問の軌跡

グラフは、訪問件数とケアに参加した回数(一部実施+一連の流れを実施)です。
*1週間ごとに訪問件数を集計しているため、月を跨ぐ部分があり厳密ではありません。
*5月はゴールデンウィークのお休み、土日の研修の振替休日をいただいたので極端に少なくなっています。

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4月と比較し、だいぶケアへの参加・一連実施する件数が伸びてきました。また、ケアに取り組むことが全てではなく、見学する際にも見学する際の視点が変わってきたり、担当者会議への参加やリハビリのアセスメント訪問もあったりと、グラフでは見えない成長の方向性があると感じています。

6・7月のチャレンジ

6月からは1日1例取り上げ、看護記録を書くことにチャレンジしました。最初はSOAPの形式に慣れることとを目的に、過去の記録を参考にしながらその日の訪問について記録し、先輩からのフィードバックをうけ修正することを毎日繰り返しました。

記録を想定することで、観察するべきポイントが明確になったり、過去の記録を読み込むことで自分に足りない視点を見つけたりすることがよりスムーズになりました。アセスメントの視野が広がってきた感覚があります。
7月も引き続き記録に取り組み、記録を書くスピードも上がってきたため1日2例書く日も増えました。

患者さん宅からいただいたキャベツが大きくてはしゃぐ野村

7月は「アセスメントを先輩に報告する」練習に取り組みました。7月初旬に、新卒・新人*訪問看護師むけの研修に参加した際、訪問のシミュレーション後すぐにアセスメントを指導者に報告するという場面がありました。文字で書けば頭のなかが整理されるのですが、いざ報告する場面ではごちゃごちゃしてしまいました。

アセスメントしながら訪問を進めていくトレーニングができていなかったため、7月の目標に据えました。
実際にやってみたところ、「ただ報告するだけの練習は実用的ではない」というのが発見でした。訪問看護においては、「困った!先輩に意見を聞きたい」場面で、状況と自分なりのアセスメントを報告・相談できることが重要になってくるためです。

7月の途中から、報告の練習を
・その日の訪問内容を同行していない先輩に報告すること(状況を簡潔に伝えられるようになる)
・想定と異なった場面について振り返り、自分がもし一人で訪問していた場合どのように報告し、相談するかを練習すること(自分なりのアセスメントを含めて先輩に相談できる)
に分けて取り組みました。また、8月もこのトレーニングを継続することにしました。

新卒・新人*・・・看護学校卒業後すぐ入職した人を新卒、病棟などで看護師としての経験をもち訪問看護師になった人を新人と表記しています。

状態観察は簡単?

新卒訪問看護師にとって、状態観察のみの患者さんに単独で訪問にいくことがいちばん手前の目標とされることが多いのですが、「状態観察と一口に言っても難しいじゃないか」と感じました。

というのも、訪問頻度が高くない(月に1回など)と、生じている問題を見逃すと次の訪問までかなり期間が空いてしまうプレッシャーがあります。安定しているからこその訪問頻度なのですが、1回1回の訪問の責任は、訪問頻度が高くても低くても変わらないと思いました。

また、体調が安定していれば、何か決まったケアを行うこと以上に、家族関係についてや本人の生きがい・社会での役割など、マズローの欲求5段階説でいうより上位のアセスメントを行う余白も出てきます。状態観察と言われても甘くみてはいけないなと思ったので書き記しておきたいと思いました。

在宅で技術は身に付くのか問題

新卒で訪問看護に行こうとする人にとってよくある不安な点として、「必要な技術が身につくのか?」という疑問があると思います。

私も入職前、疑問に思っていた時期があり、東京で新卒訪問看護師を育てて何年も経つ訪問看護ステーションの育成担当の方にお話しを伺いました。そこでかなり納得感があった言葉をご紹介します。

「病院で必要な技術と在宅で必要な技術が違うので、技術を学ぶ順番が違うだけです」
なるほど、と思いましたし、入職後の今でも同感です。

友人と登米市内の「すぐ行けるから行ってない観光名所」に行った様子

実際に看護協会主催の新人むけイベントで病院1年目の子たちと話したとき、病院で採血や注射の技術を練習する頃に、私たち訪問看護では排便ケアを極めているところでした。患者さん・利用者さんの生活や治療の目標が異なれば、必要な検査や処置も異なり、自ずと必要な技術も変わってくるのだろうと思います。

在宅では技術に挑戦できる数が病院ほど多くないため、一回の技術でより多くの学びが得られるような工夫は必要ですが、「この人にとってこの処置がどのような意味を持つのか」をじっくり考えることができる点では、量より質で学ぶことができる環境なのではないかと思いました。

↓お話しを伺ってから発見した記事がありました。もしよかったらご覧ください。

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