ボランティアで覗いたカンボジア

今回は、現在高校3年生のゆうみんさんが、この春ボランティアでカンボジアに渡った際に見学したアンコール小児医院の様子をリポートしてくれます✨

小学生の頃からNGOに興味があり、将来は専門的な分野から国際協力に携われたら、と考えていたゆうみんさん。進路がせばまってしまう大学進学前の今、実際に現地の生活環境や医療・教育現場を見てみたいと思い、参加を決めたんだとか。

「現場の途上国で”本当に必要とされていること”を知ることで今後に生かしていきたいと思いました」と語る彼女が、見て、聞いて、肌で感じたことを丁寧に書き起こしてくれました。ご一読ください☺️

目次

アンコール小児病院(AHC)

アンコール小児病院(以下AHC)は、1990年認定NPO法人フレンズ・ウィズ・ア・ボーダーによって設立されました。創設者である井津さんは日本人の写真家ですが、2013年より現地カンボジア人に運営権を譲渡し、「カンボジア人による、カンボジア人のための病院」として運営しています。

AHCのあるシェムリアップは、様々な国から人が訪れる観光地です。世界遺産アンコール・ワットなどの有名な観光スポットがあり、カンボジアでは特に栄えている地域です。

病院は平屋建てで、敷地面積は約1万平方メートル(およそサッカーコート1.4面分)です。病床数は、内科・外科合わせて36床。(毎月260人ほどが入院する割には少ないですね。)その他にも、入院病棟、救急室、集中治療室、手術室、歯科、眼科など充実した設備が整っています。

ビジターセンター

一般病棟に入ることはできないので、AHCの敷地内にある観光客向けの見学施設「AHCビジターセンター」で病院の活動についてのビデオを見たり、お話を聞いたりしてきました。ビジターセンターには、AHCの成り立ちやカンボジアの医療についてのボードなどの展示があります。そして、TシャツやマグカップなどのAHCオリジナルグッズやソープやクロマーなどのカンボジア土産も販売しています。これらの収益金の一部はAHCに寄付されます。

かわいらしいお土産がたくさん…!

『すべての人に平等な医療を。』

カンボジアでは未だ貧富の差が大きく、貧困層の90%は農村部に住んでいます。

私が実際にシェムリアップを訪れた際、道路は整備され、ホテルやお店などの建物も建ち並んでいました。そのため、想像以上に発展しているなぁという印象を受けました。しかし、シェムリアップ市内から車を数十分走らせると、道路は整備されておらず、建物もほとんど見られません。思った以上の環境の差に、カンボジアの貧富の差を肌で体感した気がしました。

しかし、AHCではそのような貧富の差に関わらず、全ての子どもたちに平等な医療を提供しています。

登録料1000リエル(約30円)再診500リエルの支払いは任意で、払うことができるのは半分程度なんだとか。入院、手術代は無料です。日本では保険制度が整っていますが、病院側がここまで補償してくれる制度は聞いたことがありません。たとえ貧しくても、しっかりとした医療が受けられる体制を国ではなく一般の人々がつくっているということに驚きました。現在、年間約5億円の運営費のほとんどは篤志家による寄付や募金などでまかなわれています。市外からも沢山の子どもが訪れ、毎日400人以上が来院するそうです。

『教育が支える、より良い社会』

AHCは診療だけでなく、教育や地域支援も行っています。

本来守れるはずの命を医療技術不足や知識不足で落としてほしくありません。そのためにも、AHCの研修や保健教育などはとても重要な取り組みだと思います。

カンボジアの病院だけでなく学校などでも言えることだと思いますが、支援によって建物は建てられるものの、運営者や人材不足によって継続していけないこともあるそうです。もちろん設備は大切ですが、それを支える人、利用する人がいて、初めて成り立つと思うのです。

カンボジアの教育水準はまだまだ低いものです。現在のカンボジアにより必要なものは”物資”ではなく、”人”の支援なのかもしれません。「より良い社会は、より良い教育によって支えられている」と、私はカンボジアでの体験を通して、頭でなく心で理解したような気がします。

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