今回は、私がこれまでにないほど友人に熱苦しくオススメしてしまった漫画との出会いについてご紹介します。
みなさん、「オストメイト」という言葉はご存知でしょうか。
オストメイトとは
(公益社団法人日本オストミー協会より)
ストーマが造設されている人のこと。人工肛門保有者、人工膀胱保有者ともいう。オストメイトをストーマの種類別に、コロストメイト(結腸ストーマ保有者)、イレオストメイト(回腸ストーマ保有者)、ウロストメイト(尿路ストーマ保有者)というが、各々コロ、イレオ、ウロと簡略化した表現もある。
ここに出てくるストーマとは、人工肛門や人工膀胱のこと。ギリシャ語で”口”を意味します。何かの病気や事故などで、排便や排尿ができなくなってしまった人は、人工的に排泄口を別ルートで形成するのです。お腹に穴をあけて腸管や尿管を身体の外側につないでできた排泄口を人工肛門や人工膀胱と言います。
そして、人工肛門や人工膀胱は、排便や排尿のタイミングをコントロールできません。排泄口には括約筋がないからです。ほうっておくと流れ出てしまう排泄物を受け止めるのが、パウチとよばれる専用のパックなのです。
このようなストーマをもって生活する人が、オストメイトです。
日本には約20万人いらっしゃいます。
でもその生活の様子って、授業で習うにしてもなんだかピンときませんでした。
それがつい先日、出会ってしまったのがこの漫画。
教科書で想像がつきにくかったら、とにかく読んでほしい!
そうでなくても、読んでほしい!
ある日いきなりストーマ患者になった心境から、ストーマをもって生活するうえで気がついた困難など、それはもうイキイキと描かれています。
ボディイメージの変容、ストーマケアの実際…YouTubeの動画もいいですが、コミカルでもっとわかりやすい!すごく参考になる。のに、楽しめる。
なかでも印象的だったのが、こちら。
このマーク、見覚えがある方も多いのではないでしょうか。
私自身も見たことがありました。でも、何のマークなのか調べたことがありませんでした。
そう、みなさんお察しの通りこれが、オストメイトのマークなのです。
そしてこの漫画を読んだ後、街に繰り出した私…
お、
お、
お、
お~
今まで意識していなかったのですが、目につくようになりました!た…たくさんあるのです。
「オストメイト用の設備を備えています」と!
後でGoogleで画像検索すればいいのですが、気がつけば身障者用トイレに入っていました。
興味本位でごめんなさい。(もちろん、混んでいないときですよ!!!)
ですが、分かったこともあるのです。
ふむふむ、これくらいの高さなのか。意外と低いけど、ちょっとかがむと、これくらいが万人に優しい設計なのかも…(70㎝)
水も流してみました
へえ、流し台、意外と深いなあ…おかげで飛び散りにくいのかも。
シャワーだってスマートな形でついてるし、なんだかスッキリした配置でかっこいい。
でもこういったこと、授業で教わる機会はないですよね。日常生活で知る機会もありません。
ストーマをもって生活する人にとって、一番大きな変化の1つであるお出かけ時のトイレ事情について、私は知りませんでした。
知らなくても自分は損しないけど、多くの人が知っておいたほうがいいんじゃないかなと、
この漫画をきっかけに思うようになりました。
多くの人が知っておいたほうが、ストーマを持つ人は
「若くて元気そうなのに身障者用のトイレなんか使っちゃって、列に並ぶのが嫌なのね」
と白い目で見られることもなくなるし。
多くの人が知っておいたほうが、
「ストーマ着けてるんだよね」って言いやすいし。
多くの人が知っておいたほうが、
銭湯とか、サウナとか、周りの目が気にならなくなるかもしれません。
(本編にも、銭湯の話題が出てきます)
授業で習わないけど、医療職になるから、だとか関係なく大切なこと。
SNSを見る限り、知ってほしいという当事者の方がたくさんいらっしゃるのが分かります。
授業でやってくれ!と言いたいわけではありませんが、「それって常識でしょう?」くらいになったら理想的じゃないですか。
インスタで読むコミックエッセイばりの手軽さで、こんな漫画も読んでみませんか?
たまごのギモン 授業で習わないけど、医療職になるかどうかに関わらず大切なこと。そんな常識になってほしい知識は、どのようにして広めたらよいと思いますか?
コメント