2021年8月14日、今年も障害者の世界への留学と称して、学生ヘルパーとして活動する学生による講演会を実施しました!医療系学生さんをはじめ、学生ヘルパーさんや難病患者支援に携わる専門職の方々など12名の方に参加してただきました。ご参加ありがとうございます。
前年度は、学生ヘルパー1名による講演でしたが、今年はなんと3名の新メンバーが登壇してくれました!!よって今回は、新メンバーの皆さんによる講演内容を中心に、記事を書かせていただこうと思います。
イベントでの様子を振り返りながら今後の学生ヘルパー活動への意気込みをお伝えしていきます!
Pick UP!→学生ヘルパー第一号からの講演2020.8.9
新メンバーの成果発表
知崎さん
学生ヘルパーを始めたきっかけ
知崎:高校の時に障害者の方と関わる部活をやっていて、大学でも続けたいと思ったので、参加しました。
学生ヘルパー活動における学び
知崎:学生ヘルパー活動をする中で、「障害者の前に父親」という恩田さんの奥様の言葉が私の印象に残っています。恩田さんのお子さんが習い事の出発の時間まで、恩田さんの部屋にいたときのことです。奥さんが恩田さんに「出発の時間知ってるんだから、子供に指示してよ」と言っていました。その時私は、自ら話すことができない恩田さんはどうやって子供さんに伝えることができるんだろう、難しいのではないかと思っていました。その時、恩田さんの奥様から「障害者の前に父親だからね。」と言われました。
知崎:たしかによく考えると恩田さんにはベル(ヘルパーさんを呼ぶためのもの)があるため、ヘルパーさんなどに口文字をとってもらい、思いを伝えることができます。そのとき私は、障害にとらわれ、無意識にできないことに目が行ってしまっていたのだと気がつきました。体が動かなくても父親は務まるし、できることはあります。対等な関係を築く上で大切なことを学ぶことができました。学生ヘルパー活動は、恩田さんや周りのヘルパーさん、看護師さんだけでなく、ご家族からも学ばせていただける環境です。
児玉さん
学生ヘルパーを始めたきっかけ
児玉:私は小学生の時に、同居している曾祖父が要介護状態となり、家族が介護をしていました。私も何か介護の力になりたいと思いながらも何をしたら良いのか分からず、結局何もできなかったことにモヤモヤして、いつか介護を学びたいと思っていました。「介護」からは少し変化して「看護」を学びたいと思うようになり、看護学科に入りましたが、勉強についていくのに必死で「介護を学びたい」という当初の思いを忘れかけていました。
しかし、去年の夏、学生ヘルパーをしている先輩主催の「障害者の世界への留学」の講演を聞かせて頂いた際、高齢者の方以外にも介護を必要としている人がいること、ヘルパーが不足していることなどを知りました。私は介護と障害者という世界をまだまだ全然知らなかったと少し反省しました。そこで、私も障害者の方への介護に携わってみたいと思い、ヘルパー活動を始めました。
学生ヘルパー活動における学び
児玉:1つ目に、ALSについて身近に感じられるようになったことです。ALSはめったに発症する病気ではないけれども、誰にでもALSになる可能性はあり、他人事ではないと学びました。
2つ目は、「完全他人介護」という介護の形もあるということを学びました。家族が介護の犠牲にならなくてもいいという発想を、恩田さんのことを知るまで、持っていませんでした。家族は、介護をできる範囲で積極的に携わっていくべき存在だと思っていました。しかし、そもそもそんな私の介護に対する考え方は狭かったと、恩田さんと関わらせていただきながら痛感しました。介護をどう生活に取り入れていくかは、家族は~すべきだとか、そうでは無くて、患者さんそれぞれの介護の形があると考えるようになりました。
3つ目に、恩田さんと口文字で話せると嬉しい!ということを実感しました。口文字は難しかったけど、言葉でコミュニケーションをとることができたことが凄く嬉しくて、楽しかったです。これが人と関わることの魅力だなと再認識しました。
森本さん
学生ヘルパーを始めたきっかけ
森本:私は大学で、新しいことを初めてみたい!と思っていたのですが、なかなか始められずにいました。そんな中、学生ヘルパーの講演会のお知らせを受け、『障がい者の世界へ留学ってどういうことだろう?』と興味を持って参加したことが始まりです。恩田さんの生き方や考え方、ALSという病気、在宅医療について知り、もっと知りたいという思いが強まるとともに、学生ヘルパーの先輩の活動を知り、学生でもこんなことができるんだという可能性に感銘を受け、講演後にその勢いで『やってみたいです!』と連絡しました。
学生ヘルパー活動における学び
森本:1つ目は、いろいろな経験をさせていただけることです。昨年の講演で障がい者の世界へ留学というテーマがあったのですが、考え方や価値観を学ぶだけでなく、口文字という新たなコミュニケーションツールを習得したことで、コミュニケーションの幅が広がりました。また勉強会への参加や、講演会の司会・進行など介護のことはもちろん、それ以外にも貴重な体験をさせていただいております。
2つ目は、新しい出会い、繋がりがあることです。zoomを活用し、全国の学生ヘルパーさんとの意見交換をしています。また、活動を通して、恩田さんやチーム恩田さんの皆さん、のむゼミの皆さんと関わりを持つことができ、始めて良かったと思っています。
3つ目は、人生の先輩から多くのことを学べることです。自分自身の進路に悩んだ際に恩田さんに相談にのっていただけたり、恩田さん自身の学生時代のお話や社長に至るまでのお話を聞けてすごく勉強になりました。またそれぞれの専門職の方ともお話しできるので、専門的な知識や、仕事に対する熱い思いなども学ぶことができます。
恩田聖敬さんサプライズ登場!!
我らが恩田さんにもお越し頂き、口文字の実演とご講演をしていただきました。
~恩田さんからのメッセージ~
私は「人生は自分を好きになるためにある」と思っています。
みなさんも、自分に良い点数がつけられるよう、頑張ってください。
自分を好きでいられる人生は、間違いなく楽しいです!
講演を行った学生ヘルパーの感想
今回の講演を行う上で、自分が今まで行ったヘルパー活動を振り返ることができました。また、私以外のメンバーのお話から新たな発見や学びを得ることができましたし、みんなの熱い思いに刺激を受けました。そして、講演をきっかけに学生ヘルパーに興味をもってくださった人がいて嬉しかったです。パソコンの画面越しとはいえ人前で話すのは緊張しましたが、参加者の皆様があたたかく受け入れて下さったので、安心して話すことができました。講演に参加してくださった皆様、講演後たくさんのメッセージを下さった皆様、本当にありがとうございました。
参加者からの声
- 介助される方の可能性を引き出すという言葉が印象に残っています。どんなことができて、それをどう生かしていくかというのは、一人一人異なっていて、その方の可能性を引き出すために自分にできることを考えることが介護を行う上で欠かせないと実感しました。
- ALSになっても、周囲のサポート次第でコミュニケーションや仕事を続けられるということが最も印象的でした。
- 学生ヘルパーさんの生き生きとした表情、自分の活動に誇りを持っている印象を持ちました。
- ALSの患者さんがどのような生活をしているのか知ることができました。また、学生ヘルパーは、看護以外の知識を身に付けられるということを知ることができました。
看護学科の3年生。現在は恩田さんのもとでヘルパーの勉強をさせていただいています!早くひとりだちができるように頑張りたいです!
看護学科の3年生。パンよりお米派で炒飯やパエリアが好き。恩田さんとお会いした時はいつも、力強い眼力に圧倒されます!笑
看護学科2年生。看護師のたまごでもあり、学生ヘルパーのたまごでもあります。1番好きなたまご料理はオムライスです。いろんな人からたくさん吸収して成長したいと思います!
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