「自分と看護の可能性を信じてステップアップしたい」働きながらソウレッジのプロボノとして関わるいっちゃんにインタビュー!

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プロボノという言葉をご存知ですか?ラテン語の“pro bono publico”(公共善のために)の略で、職業上のスキルや専門知識を活かして取り組むボランティア活動全般のことです。今回は、超急性期病院で働きながら、一般社団法人ソウレッジでプロボノとして活動し、スキルも、キャリアも追い求める看護師さん「いっちゃん」にお話を伺いました。

いっちゃん
いっちゃん
大学卒業後、神奈川県の3次救急の病院で働く春から4年目の看護師。救急病棟で勤務する傍ら、一般社団法人ソウレッジのプロボノメンバーとしても活動中。
目次

看護職を目指したきっかけを教えてください

いっちゃん:中学生の時に、漫画「イタズラなKiss」を読んだことです。「イタズラなKiss」は恋愛少女漫画で、好きな男の子が医師になることを目指し始めることで、「それを支えられる看護師になる」と主人公の女の子が看護師になるストーリーなんです。私は主人公の女の子のことが好きで、同時に看護師という職業もとても魅力的に思えたことが最初のきっかけでした。

ーいっちゃんは学生時代どんな看護学生でしたか?

いっちゃん:今思えば、もっと真面目に勉強しておけばよかったと思いますが、小中高と比べて大学の勉強が一番楽しかったです。解剖や病態生理も、理由は分からないけどずっと楽しくて。この学問は私に向いているんだと思いました。

ー実習は辛いというより、楽しい側でしたか?

いっちゃん:確かに、辛かった事はそんなにないかも。「看護の実習マジしんどいよ」みたいな噂ばかり聞いていたけど、聞いていたほどではなかったかな。

どのようにファーストキャリアを選びましたか

ーもともと救急に行きたい思いがあって、大きな病院を選んだのですか

いっちゃん:そうです。学生の時から、ただただ救急に憧れていました。看護師の配置基準が一般病棟は7対1、ICUは2対1で、HCUは4対1です。患者さんの人数に対して、看護師がある程度配置されていて、患者さんとしっかりコミュニケーションを取れる部署がいいなあと思い、HCUを希望しました。

学生の時よりも働き始めた今の方が圧倒的に楽しいです。1年目は毎日必死でしたが、それでも、学生の時と比較して自由と責任が段違いなので大きなやりがいを感じていました。2・3年目になると、先輩やコメディカルの人達ともさらに仲良くなれました。余裕が生まれるので、より自分のしたい看護をできるようになりました。

お仕事の楽しさの根源はなんですか

いっちゃん:楽しさの根源は何だろう…同僚やコメディカルとのコミュニケーションはもちろん、患者さんとのコミュニケーションかもしれません。この人素敵だな、元気になってほしいな、と思う患者さんがたくさんいます。忙しいときは本当に忙しいのですが、患者さんとお話していると元気になります。人生のアドバイスをいただくことも多くて、夜勤中に眠れない患者さんから「あなた好きな人はいるの」と話を振られて恋バナが始まるとか。

ーいくつになっても盛り上がりますよね。ICUではなく、もう少し意識レベルの鮮明な方が多いHCUを選んだ良さを感じていらっしゃいますね。

いっちゃん:そうですね。向き不向きやタイミングはあると思うので、最初に配属されたところが合わなくても、私たちには本当に多くの選択肢があるから、辞めるという選択肢も含め、いろいろと模索するといいんじゃないかなと思います。

ー今のお仕事で大事にしていることがあれば教えて下さい

いっちゃん:大事にしてることは、とにかく安全に働くことです。1年目の夏に、患者さんに危険が及んでしまったインシデントを起こして以来、仕事がゆっくりでも、効率が悪くても、安全に働くことを大切にしています。そのときは本当に怖くて怖くてしょうがありませんでした。このインシデントをきっかけに、患者さんの命をお預かりしていることを強く実感しました。

ーインシデントを起こして怖くなってからは、どのように乗り越えたんですか?

いっちゃん:たくさん勉強しました。私に知識があれば防ぎ得たインシデントだった可能性があるからです。当時は、無責任なことをしてしまいました。ただでさえ私は日常生活でもミスが多いので、その自分の性質を理解して、知識によって防げるミスを防ごうと思い、勉強しています。

ーすごくシンプルで、大事なことだなと思いました。

ソウレッジとの出会いについて教えてください

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(一般社団法人ソウレッジのホームページ:https://sowledge.org/)


一般社団法人ソウレッジは、「つよく、やさしい自分」に1cm近づく、5歳からの性教育に取り組める性教育教材の開発・販売を行っています。その他、教材を子ども食堂や学校などの必要とされる場所に寄付したり、教材を用いて性教育の種まきをする人を増やしたりしています。

いっちゃん:私の友達がFacebookでシェアした、代表・つるたまさんの「ソウレッジでプロボノやインターンを募集しています」という投稿を見てやりたいと思い声をかけました。

ーもともと、性教育の領域に興味があったんですか

いっちゃん:人よりは少し関心が強いかなくらいです。ゆくゆくは副業や、看護師だけではなくて他のことでもお金を稼ぎたいなと思っていました。でも看護の勉強しかしてこなかったので、どうやってお金を稼いでいけばいいのかが私には分かりませんでした。もう少し社会のことを知りたいと思ってたときにつるたまさんの投稿を見て、「これだ」と思いました。私の病院では副業は禁止です。プロボノ=ボランティアだからこそ、お金を稼げなくても、自分の能力を高める機会だったので、ソウレッジでのプロボノは魅力的でした。

ー実際にソウレッジに関わり始めてどんなことが勉強になりましたか。

いっちゃん:たくさんあります。例えば最近だと、マーケティングのプロの人たち(プロボノ)とミーティングがあったのですが、こうして世の中の商品は顧客に認識されていくのかと感動しました。医療者ばかりに憧れて生きてきましたが、どの道でもプロは本当にかっこいいなと心ときめきました。
病院は本当に狭い世界なので、少しずつ外の世界を知ることができて楽しいです。

ー存分に機会を生かして学んでいることが伝わってきました。ちなみに病院の外の世界を学ぶのはどの組織でもいい訳ではなく、きっとソウレッジだからですよね。どこに惹かれましたか?

いっちゃん:ソウレッジからは、世の中を本気で変えていくぞという気概が感じられてとても好きです。世の中を変えていくというムーブメントの中に私がいて、ほんのちょっとだけでもお手伝いできてる実感を得られることが嬉しいです。ソウレッジの取り組んでいる事が本当に素敵だから、みんなにもっと知って欲しいなと思います。

ーほんとに。着実にいろんな沢山の人を巻き込みながら広げている感じ、少しずつ前に進んでいる感じが第三者の私にも伝わってきます。

ー具体的にソウレッジ内ではどのような業務を担っているのでしょうか。

いっちゃん:助成金の申請などを担当しています。ただ書類を書けば良いわけではなくて、「ソウレッジがこんなことを問題に思っていて、その問題にこうアプローチしていきたくて、結果こんな社会にしてきたいからこの事業するんです」って私自身が明確に理解していないと書けません。ソウレッジが本当にやりたいことや熱い思いがあるのに、それをひとつの表現やニュアンスの違いでうまく伝わらないかもしれないので、どうしたらもっと簡潔に伝わるようになるかを日々考えています。

ー助成金の書類は、つるたまさんのよき代弁者であり、目指す社会を論理立てて書いていく作業は頭を使うと思います。すごいですね!!!

いっちゃん:いや〜、まだちょっと修行中です。

今後チャレンジしていきたいことを教えてください

Alt="一般社団法人ソウレッジ"いっちゃん:今の職場は楽しくて居心地もいいですが、もう少ししたら環境を変えたいと思っています。時折、ずっと憧れていた救急外来のお手伝いをさせてもらえることがあるのですが、思っていたよりも目まぐるしく、患者さんとじっくり向きあう時間が取れていません。救急外来でもう少し頑張ったら見えるものもあるかもしれないし、同時に自分が本当にやりたいことが他にあるのかもしれないと可能性を感じています。

またやりたいことが変わるかもしれませんが、今は、もう少し働いてワーホリに行って、帰ってきてからまた看護師として働きたいと思っています。

ー楽しみですね。居心地のいい場所があるにも関わらず、また自分の本当にやりたいことを探しに行く行動や、心地よい場所を抜け出す勇気を併せ持っていることが本当に素晴らしいなと思いました。

いっちゃん:看護師は就職しようと思えば比較的容易にできますし、他の職業より勇気が必要ないかもしれませんね。楽しみです!

学生さんへのメッセージをお願いします!

いっちゃん:学生は、時間と若さとエネルギーが段違いだなと思います。やりたいことは学生のうちに全部やったほうが良いと思います。「あれやってみたいけどどうしようかな」と思うことはとりあえずやってみた方が良いんじゃないかなと思います。

一方で、社会人も案外自由です。働いているので収入もありますし、やりたいことは結構できます。責任も増えますが、私は働いている今の方が何倍も楽しいと感じています。学生の時の実習では記録に追われていましたし、病院の中でも患者さんの体を拭いたり、湯たんぽを作ったり、そういうことしか私はできませんでした。働き始めてからは、やりたかった看護ができています。実習が辛いなと思う時ももちろんあると思いますが、未来はもしかしたら明るいかもしれない。どうか頑張って欲しいなと思います。(ちゃんと休息もとってね)

ー救急を目指している学生さんへのアドバイスはありますか

いっちゃん:救急ならではの二次救命処置は、現場に入ってから叩き込まれるので、それらがすんなり入ってくるだけの病態生理や解剖生理などの基礎的な勉強をとにかく頑張ることが大事だと思います!

ーいっちゃん、インタビューにご協力いただきありがとうございました!看護師としての仕事の合間に、プロボノとして関わる姿勢や、貪欲にいろいろな機会を生かして学び続ける姿がとても素敵だなと思いました。

いっちゃんが関わる一般社団法人ソウレッジでは、2022年2月1日から「学校外での性知識を届ける仕組み」を実現するためにプロジェクトをはじめました。
身を守るための性知識を得る機会が学校現場で保障されていないことは、誰もが感じたことのある課題かなと思います。今回のプロジェクトは、妊娠するにはハイリスクな若年層に、緊急避妊薬の提供と安心して頼れる・学べる仕組みの提供を進めていきます。

クラウドファンディングページはこちら
https://camp-fire.jp/projects/view/392012

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