世界の医療事情【ケニア編🇰🇪vol.1–母子手帳について–】

今回は、青年海外協力隊として活動されている保健師さんに、ケニアの医療事情についてリポートしていただきます!遠く離れたケニアの地で、現地の人に囲まれながらの生活。どんな活動をしていらっしゃるのか、ケニアならではの健康課題なども追ってリポートしていただきます!

皆さんはじめまして。
ケニアで青年海外協力隊の保健師として活動しています。こちらに来る前は・・・いや、現在も愛知県犬山市に在籍しながらケニアに来ています。いわゆる現職で参加しています。犬山市でも保健師として活動していました。
そして、ケニアに来て思ったこと。それは、今まで犬山市で保健師として活動していた経験が生かされることはとても少ないということです。なぜならば、言語の問題、価値観、医療の違い、資源が限られているからです。そのため私がここで現地の人のために出来ることは何かを日々考えながら活動しています。

目次

ケニアとは・・・🇰🇪


ケニアという国はアフリカ大陸を代表する国の1つと言っても過言ではないでしょうか?
首都ナイロビに至ってはかなり都会で、物価も日本とほぼ変わりないです。食事に関していえば、ナイロビには何でもあるため日本食、中華や韓国料理、イタリアン、エチオピア料理など様々な料理を食べることが可能ですし、様々なものを手に入れることも可能です。
そして、ケニアの公用語はスワヒリ語と英語ですが、40以上の民族がそれぞれの言語を持っています。私のいるシアヤという場所はルオ族が住みルオ語が飛び交う地域です。そのため、英語やスワヒリ語に加え、ルオ語が一つの文章の中に組み込まれて話されていることも多々あります。
ちなみにシアヤという場所は首都ナイロビからバスで9時間以上かかる場所にあります。ルオ族の皆さんはとても陽気で世話好きで話好きです。おかげで私は寂しいという思いをすることなくいままで暮らすことが出来ています。

母子健康手帳(親子健康手帳)・・・?


ところで、皆さんは、自分の母子健康手帳というものを見たことがありますか?
親から譲り受けた方もいらっしゃるかもしれません。母子健康手帳は親と子の成長記録や子どもの予防接種歴が記録されていたりします。見たことがないという方はぜひ、この機会に親に見せてもらうといいかもしれませんね。自分がどんな予防接種を受けたのか知らない方がほとんどだと思います。でも知ることはとても大事なこと。何しろ自分のことですからね。
母子健康手帳は日本で生まれ、今や世界に広がりつつあります。(近年日本では、母子健康手帳は親子健康手帳と呼ばれ、父子手帳も登場しています)

特定非営利活動法人HANDS HPより(2015年1月時点)

なぜ母子健康手帳が必要とされるのか考えたことがありますか?
一番の目的は“切れ目ない支援”のためです。妊娠から産後に至るまで、子どもが6歳を迎えるときまで継続して健康管理ができるツールとして使われています。病院側だけでなく、親側が手元にいつでも持っていることで健康教育にも活用できるのです。
そんな、母子健康手帳がここケニアでも使用されています。使用方法は日本と同じ。妊婦検診や予防接種時に持っていきます。そして、赤ちゃんが生まれてから成長を記録するために使用されています。

ただ、日本とケニアで大きく違うのは、HIVやマラリアといった感染症についての予防や薬についての記載があること。HIVの感染率は成人5.3%(日本についてはデータなし)※1そして、蚊を媒介として感染するマラリアで多くの子どもが亡くなっています。乳児死亡率は1000人あたり36人(日本は2人)※2と言われています。乳児死亡率に関してはマラリアのみではないですが、日本と比較すると大きな違いがあると思います。

最近ではマラリアワクチンの使用がここケニアでも始まりました。とはいっても、ケニア全土ではなく、まだ試験段階のようですが。予防接種をすることによって救われる命もあります。そのために適切な時期に適切なワクチンを接種するための記録となる母子健康手帳はとても重要なツールになります。

また、母子健康手帳の使用方法については現地のケニア人ボランティアが母親に説明をしています。妊婦や子どもにとって危険な兆候や感染症や病気からの予防方法という重要なことも掲載されているため、多くの妊産婦から幼児までの子どもが母子健康手帳によって救われ、自ら予防活動ができるようになるといいなと思っています。

今後も、ケニアでの医療事情を伝えていきたいと思います!

※1、2世界子供白書2016年より

次回、ケニア編Vol.2は1月更新予定です✨お楽しみに!

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