笑顔で働く看護師を増やすため、まずは視野を広げる機会提供を。|ArchNurse発起人・成瀬健一さんにインタビュー!

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看護師コミュニティArchNurse(アーチナース)の発起人・けんいちさんこと、成瀬健一さんにインタビューさせていただきました。ArchNurse立ち上げの思いや、けんいちさんのこれまでとは?医療職でないからこそ見えてくる、看護職のキャリア形成に対する課題感を語っていただきました。

当日のインタビューはTwitterスペース機能で配信しました。後日、看たまノートYouTubeでも動画アーカイブを残す予定です。お楽しみに!

https://twitter.com/arch__nurse/status/1442803178072727554?s=20

今回の記事はこんな人におすすめ!

  • 看護職の働き方に関心がある人(つまり看たまノートの読者さん!)
  • 産業保健の領域に興味がある人
  • ArchNurseに関心がある人
  • ArchNurseに所属しているが、「けんいちさんのことをそういえばよく知らないな…」という人
健一さん
成瀬健一(なるせ・けんいち)さん
愛知県出身。トヨタの販売店で営業を経て、株式会社エス・エム・エスで看護師の転職支援に約10年間携わる。エス・エム・エス時代に国家資格であるキャリアコンサルタントの資格を取得。現在は産業保健サービスに携わりながら、看護師コミュニティArchNurse(アーチナース)や看護師さん向けのキャリアメンタリングサービスを運営。

今のお仕事に就くまでのキャリアを教えてください。

けんいち:愛知県の出身だったので、新卒の時の就職活動では何も考えずに、最初に内定もらったところに入っちゃいました。愛知県でトヨタと言えばみんな知っていますし、親も別に嫌がらないし…約2年間を過ごしたんですけれど、このまま50〜60代になるまでこの会社にいることはないなと1年目から漠然と思っていました。

最初の会社は国内で車を売る仕事でした。車は売れますが、その他にも保険や携帯などいろいろなものを売るくらい、産業として伸びていくことは難しい業界でした。じゃあ、次どんな仕事に就きたいんだろうと考え始めたとき、転職するならこれから伸びていくところに身を置きたいと思い、医療業界に関心を持ちました。

母親が看護師で、妹も医療福祉の資格を持っていたこともあり、身近な存在だったので、医療や介護のインフラを作っていくエス・エム・エスに魅力を感じました。これからの日本の社会課題にちゃんと向き合っていけそうだと思い飛び込んでみたら、結果的に看護師さんの転職支援に携わることになりました。今はエス・エム・エスを退職し、企業に向けての産業保健サービスに携わっています。

今の仕事のやりがい、難しさを教えてください。

けんいち:難しいからこそのやりがいもあります。強いて言えば、産業保健の分野は法律で定められてることがあまりないことでしょうか。産業医には設置基準がありますが、現時点では産業看護職の設置基準はないんですよね。別に1000人いる企業だって保健師さんを配属しなきゃいけないかと言えばそんな決まりはないので、なぜ産業保健師が必要なのか・企業に対して何がメリットになるのかを説明し、価値を感じてもらう必要があります。それが難しい。

いかに、相手に「必要なの本当に?」という状態から「あっやっぱり必要だね」と思ってもらうかが、難しさでもあり面白さでもあるのかなと思います。

お仕事をしていくうえで大切にしていることは何ですか。

けんいち:そうですね、社内での役割という部分と、社会、顧客に対してというところで2つあります。

社内の仕事は、まだ出来たばかりのサービスです。これから1から10を育てていく段階なので、周りの方とうまく連携しながら事業を進めていくことを心がけています。1人では何もできないし、会社には周りにいろんな知識持った人たちがいるので、うまくお互いが出来ることをやりながら、事業が大きくなるように進めています。

お客さんに対しては、サブスクリプションのサービスもあるので、売って終わりのサービスではありません。サービスをよく理解してもらい、長く付き合えるような関係性を築くことを大切にしています。
もちろん、企業の方は看護職のことはよく知らないので、採用方法も知らないし、求人はどこに出したらいいのか分からない状態です。その点、看護業界に対する知見があることは生きているなあと思いますね。

ArchNurse立ち上げのきっかけは何でしたか。

けんいち:キャリアコンサルタントの資格が国家資格になるときに、興味を持って取得しました。せっかくなのでキャリアを軸にしたイベントをやりたいと思い、異業種交流会のような形で看護師さんや経営者や、エンジニアの方など色々な人が混ざってキャリアについて語る会をしていました。イベントを開催するなかで、看護職の方に対してのキャリア支援がこれからの自分のキャリアの軸になるだろうなと感じていました。

イベントを通じて出会う人にも恵まれ、看護師コミュニティをやってみたら面白いんじゃないかとアドバイスしてくださる方や、私の思いに賛同してくださる方もいらっしゃって、コミュニティを作ってみようか迷っていたこと。コロナ禍に突入して、オンラインコミュニティをつくろうとArchNurseを立ち上げました。

ーけんいちさんや、看護職の方々の課題感はどこにあったのでしょうか。

けんいち:そうですね、10年ぐらい転職を支援してきましたが、ずっと変わらないところもあるということです。それが何かと言うと、常に20代後半ぐらいで同じような悩みを抱え、同じような転職をし、失敗をし…というセットが繰り返されてると感じました。紹介会社が一部悪いところもあるかもしれませんが、それだけでなくいろんな要因が重なって同じことが繰り返されていると思ったので、紹介会社とは別の形でキャリアを支援してみたいと思っていました。

キャリアイベントを開催していくなかで、コミュニティの重要性は今後高まっていくと思いました。2つ理由があって、一つは、同じ会社や病院でずっと働く人が今後少なくなることで、働く場所以外のコミュニティの価値が高まると考えたからです。転職が当たり前になったり、複業したりすることが当たり前になってきています。会社・病院に対しての帰属意識がどんどん薄れてくる時代に、会社でもなく家族でもないコミュニティの価値が高まっていくだろうなと思いました。

あと一つは、オンラインで繋がることが簡単になるからです。いつでもどこでも簡単に繋がれることで、場所に関係なくコミュニティができるようになるので、同じ思いをもった人たちが集まれることの価値が高まっていくと思い、コミュニティからスタートしようと思いました。

ー看護師さんたちも場を求めていたのでしょうか

けんいち:そうですね、他のコミュニティを運営している方ともやり取りしますが、もともとそういったコミュニティはあったので、コミュニティを求めてる人たちはいるんだろうなとは思っていました。Twitterなどでイベントのお知らせなどしていく過程で、大々的に告知しなくてもコミュニティ参加者が増えていったこともあり、コミュニティの必要性を実感するようになりました。

ーけんいちさんから見て、いくつかあるオンラインサロンのなかでもArchNurseはどんな立ち位置でしょう。

けんいち:僕はオンラインサロンなどのコミュニティは、色んな所があっていいし、それぞれの特徴があって純粋にいいな、と思っています。実は、「今度一緒に運動会やりましょう」みたいな話もあります。そうやってどんどんどんどん輪が広がって行ったら面白いですよね。
そんな中でもArchNurseについてはキャリアの軸をブラさずに看護師の方に機会提供できる場でありたいと思っています。
ただ、まだまだ描いてるものには全然届いていないので、「ArchNurseって看護師のコミュニティの中でこんなことが出来るところだよね」と明文化していかないといけないなあと思っています。

けんいちさんが描く、ArchNurseの理想とは

けんいち:「笑顔で働く人を増やしたい」。その最初のステップとしてキャリアの選択肢を広げることは欠かせません。看護師という医療業界だけでなく、外の世界の人とも繋がって違う視点を得られるなど、僕が看護師でないからこその強みを活かした機会を設けていきたいです。
「あっそういう世界もあるんだ」って一旦広がった状態から、じゃあ自分はやっぱり看護師だとか、やっぱりちょっと違うところに行きたいとか。一度視野を広げる場所でありたいなと、今は思っているところです。ArchNurseのイベントを開催する時も、意図的に色が違うイベントをやれるといいなと思って企画しています。

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今後は、一旦視野を広げたところで、実際にどうやって歩いて行くかをサポートしていきたいです。場所を紹介する形ではなく、ArchNurseで学んだ人たちであれば企業側が採用したいと思ってくれるような状態を作れるといいですね。ArchNurseに入りたいという人も増えるかもしれませんし、そういった機会も提供できるようなコミュニティにしていきたいですね。

ー交流する場所というより、学び合う場のようなイメージでしょうか

けんいち:そうですね、交流することでの心理的安全性・仲間意識を育てるところと、その上の階層に学ぶ所があって、今は学ぶところをちゃんとやりたいなと思っています。さらにその上の階層に、学んだことを活かしていくことがあって、そこが本職や転職に繋がったり、自分でお金をもらいながら誰かに何かを提供したり。最終的には自分がArchNurseで学んだことが外の世界に還元されていくことで、頑張った人が報われるような世界が出来るとすごくいいなと思っていますね。

ーアクティブな人が多いコミュニティづくりには、どんな秘訣がありますか。

けんいち:コミュニティ運営はめちゃくちゃ難しいですよね。会社だと、お給料をもらって、ゴールが決まっていて、自分の役割をやり切ることに集中できますが、コミュニティはそうではない。
50人〜100人くらいまでは、「人」起点で突っ走って引っ張っていくことじゃないでしょうか。それ以上の規模になると、部活みたいなグループをいくつか作ったり、ゼミみたいなグループを作ったり…ArchNurseとしてもちゃんと考えていきたいところです。

ーArchNurseは企業の看護師さんや産業保健など、ちょっと外の世界に関心がある、一歩踏み出した/踏み出したい人が多いことは強みかもしれませんね。

クラウドファンディングへの想いを聞かせてください

けんいち:キャリアコンサルタントにキャリアの相談ができる機会を届けたいとここ1年くらい思っていたので、どんな形でもいいから実現させたいと思っていました。当然、お金の話もあるので、クラファンをしようと思いました。クラファンはお金が集まるけど、人との繋がりが出来るじゃないですか。応援してくれる人の輪が広がる点が、クラファンを選んだ大きな理由です。

けんいち:今回のプロジェクトでは、看護師さんたちに、キャリアコンサルタントというキャリアの専門家にキャリア相談できる機会を届けます。転職するときや、キャリアに悩んだときはまず紹介会社に登録するんじゃなくって、全部思いや考えを受け止めてくれる人に話して、キャリア相談する機会を得ることを一つの選択肢として届けたいです。

夜勤中に転職の広告を見て、広告をポチッと押したら次の日紹介会社から電話がバンバンかかってきて…とかそういう転職ではなく、何か一つ、ちゃんとしたキャリア支援の形を提供したいと思っています。キャリアコンサルタントの方にもプロジェクトに賛同して頂ける方がいて、心強く感じています。

ー今の人材紹介の形について課題感を持っている看護師さんは少ないのでしょうか。

けんいち:少ないと思います。何も考えなくても、職務経歴書や履歴書を自分で書かなくても、希望条件を伝えれば探してきてくれて就職できるので楽なんですよね。利用する人が多いことも頷けます。ただ、新卒のときにも一般的な学生が行うような就職活動を経験していない方が多いので、そこが課題だということはあまり思わないのかなと感じています。

けんいちさんの今後の展望を教えてください。

けんいち:僕は起業したい思いはそんなある訳ではなく、今は会社員をやりながら自分のやりたい事をやれていてすごく楽しいです。先のことを考えるより、今の状態を楽しみながら夢中でやっていくっていう状態がずっと続けられたら、それが一番幸せなんだろうなと思っています。今をいかに楽しむか、今辛く感じていることに対して、どう自分の見方を変えて楽しめるようにするかは、最近のテーマになっていますね。

医療業界/キャリアという領域は、これだけ続けてきてまだ飽きないので、生涯を通じて向き合っていきたいと思っています。新しい課題がどんどん出てきて、それを一つひとつクリアしていく感じが、自分に合っているのだと思います。
看護師は自分には絶対にできない仕事だと思っているので、自分とは違うものを持っている人たちに対して、自分の知見を生かせることはやりがいだと思います。子どもたちが、医療職に就いてくれたら、またそれは感慨深いな…と思います。

看護職を目指している子達に向けてメッセージをお願いします。

けんいち:僕は、看護師職を目指していることはどんな理由であれすごく素敵だなと思っています。先ずは資格を取って欲しいな。資格を取ってステージに立つ、立ったらまた次の世界が見えてきます。諦めちゃう人もいるかもしれませんが、実は病院だけじゃなくていろんな世界があったり、病院の中でもすごく面白い事があったり、絶対何かがあると思うので。
今、すごく苦しい人も、今後も続くコロナ禍で大変な人も、看護師という資格は今後いろんなところで絶対に活きる職業だと思うので、頑張ってください。

*このインタビューは、全国ぶっコミプロジェクトのクラウドファンディングのリターンである、【看たまノートであなたを取材】をお選びいただき、実現しました。本当に、応援ありがとうございます!

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