小さな町のおせっかい保健師|三戸町母子健康包括支援センターSANぽぽ

こんにちは。だーやまです。今回は私の地元である青森県三戸町の母子健康包括支援センターSANぽぽの保健師さん(以下、Aさんと表記します)にインタビューさせていただきました!

今回のインタビューはこんな人におすすめ!

・母子保健に興味がある人
・地域で保健師、助産師として働きたい人
・地域医療、地域保健に興味がある人

青森県三戸町は県南に位置する、人口約9000人(2021年9月1日時点)の小さな町。この町に産科はありません。車で約30分の距離にある近隣の市の病院が最も近い産科です。
産科医療が不十分な地域ではどのように母子の支援をしているのかインタビューしてきました!

Alt="青森県 保健師"

出典:地域人口関連図表の収納庫,http://pop-obay.sakura.ne.jp/figures/figures02441.html

SANぽぽ設置の目的、理念を教えてください

Aさん:産後うつの予防、子どもの虐待防止のために妊産婦を継続して支援することです。三戸町は核家族や共働きの家庭が多いので、孤立している妊産婦の早期発見をしたり、育児をする中でのイライラ感や上手く行かない…という気持ちに寄り添う支援を行っています。

運営しているのは、事務職1名、保健師1名、助産師(非常勤)1名の計3名です。

どのような内容の相談が多いですか

Aさん:最も多い相談は「母乳、授乳について」で6割超ですね。「児の一般状態は」2~3割。兄弟への対応についての相談もあります。産後3ヶ月までの間に主に助産師が4〜5回の家庭訪問を行います。

具体的にはどのような支援を行なっているのですか

Aさん:妊娠届けを提出、母子手帳を交付する際に「ぷれママ子育て支援プラン」「子育て支援プラン」を作成します。健診や家庭訪問、ワクチン接種、利用できる福祉サービスについて妊娠〜出産〜小学校入学までの見通しが立つようなプランを作成します。

安心して子育てができるように支援するため、関係機関でプランを共有することもあります。プラン作成時は必ず同意を得て、署名していただいています。SANぽぽだけではなく、保育施設や児童相談所などとも連携してサポートしているんですよ。

Alt="母子保健 保健師"

SANぽぽ相談室の様子

三戸町には産科がないが、それが妊産婦の不安や困難感に影響していることはあるのでしょうか

Aさん:関わっている妊産婦や友人、同僚に話を聞く限りでは産科があるのは生活圏、商業圏内なのでお産自体は困らなかったという声が多かったです。近隣の市町村でも産科の集約化が進んでいるので、出生数も医療資源も少ないこの町に産科がないのは仕方がないことです。だからこそ、SANぽぽが産前産後ケアを充実させて、妊産婦の近くで安心させる役割を担えたら良いな、と思います。

退院後1か月は特に不安が大きい時期なので、SANぽぽではこの時期の支援を大事に考えています。退院後1か月目には2~3回、2か月目・3か月目は1回、助産師が継続して家庭訪問をします。
出生数が少ないので他の市町村に比べて家庭訪問の回数を多く行えるのがメリットでもあります。

不妊相談などこの町でできないことは、近隣の市で行っている支援を紹介します。小さな町だからできること、大きな都市だからできることがあると思います。

地域の母子保健に携わるやりがいはなんですか?

Aさん:専門性を生かして地域に密着した仕事ができていることですかね。支援していた家庭のお子さんが成長して今度は妊婦として関わる、みたいに2世代に渡って支援することもあるんですよ。

スタッフの中には「切れ目のない支援ができている」という充実感はあります。支援を妊産婦たちが受けいれてくれているとも感じます。ただ、自分から悩みを相談してくれる人はあまり多くありません。

SANぽぽができたことで、新たに助産師という専門職を配置することができました。SANぽぽの家庭訪問の大半は助産師が担っています。今まで病院で助産の仕事に携わっていた助産師が、地域でも活躍できる時代になったということですね。

妊産婦たちが相談に来られないなら自分たちから行けば良いんだ、と気づきました。家庭を訪問して「あなたよくやってるね。私に何か力になれることはない?」って声をかけてあげたい。そんな小さな町のおせっかい保健師でありたいです。

【編集後記】

「小さな町だからできること、大きな都市だからできること」という言葉が印象的でした。人口が少なく、医療資源も不十分ということを悲観的に捉えていたのですが、地域特性を生かすことで地域の人々のためになる支援ができるんだなぁ、と。スタッフさんたちがやりがいを持って働いている姿にエンパワメントされました。助産師の専門性を生かせる場は病院だけでなく、地域にもあるのだと知りました。

今回、協力してくださった三戸町役場健康推進課のみなさん、ありがとうございました。

Alt="母子保健 保健師"
だーやま
この記事を書いた人・だーやま
看護学部2年生。性教育に関する情報発信をしています。
わたしの地元は産科がないので助産師として働くことはできないのかな、と思っていたけど地域にも活躍の場があることを初めて知りました。
助産師のいろいろな働き方をもっと知りたいー!

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