元気なうちから知識と場を届け、住民をもっと主体的に|みんなのヒュッゲ・本岡 秀人さんにインタビュー!

Alt="本岡秀人 みんなのヒュッゲ"

今回は、コミュニティナースの研修を経て、徳島県で活動する理学療法士・本岡秀人さんにお話しを伺いました。予防に関わりたいと思うようになった経緯とは?本岡さんの今年からはじまった新たなチャレンジについても聞いてみました。

Alt="コミュニティナース インタビュー"上記の通り公開インタビューとしてインタビューさせていただき、看たまノートFacebookページで配信しました(アーカイブがご覧になれます)。後日、綺麗に編集したものを看たまノートYouTubeでもUPする予定です。お楽しみに!

聞き手/秋山 響  編集/野村 奈々子

この記事はこんな人におすすめ!

  • 地域のなかでの健康を応援する活動やお仕事に興味のある人
  • 行政で働く保健師さんに関心のある人
  • リハビリ系の学生

本岡 秀人さん

本岡 秀人(もとおか・ひでと)さん

徳島県小松島市で活動する理学療法士。地域の方々の健康増進に携わろうと、2021年7月に個人事業主として「みんなのヒュッゲ」を立ち上げ。焙煎珈琲を提供しながら、屋台での健康相談や健康増進を目的としたヨガ教室を運営している。
「一家に一人のホームセラピスト」を目指し活動中!

目次

普段の活動について教えてください

本岡秀人さん(以下、本岡):6月末まで、病院で理学療法士として常勤で働いていました。7月から個人事業主として仕事をしています。週4日は病院でパート、週2日は社会福祉協議会で生活支援コーディネーターとして、高齢者支援・介護予防など市の事業に関わっています。週1日、”ヒュッゲな屋台”でコーヒーをお出ししながら健康相談をしています。プリベンティブヨガ* にもチャレンジしていて、呼吸法を使ったり、理学療法の知識を生かしたりして、ケガをしにくい身体づくりにも取り組んでいます。

ヒュッゲとはデンマークの言葉で、「居心地の良い暖かな空間」という意味があります。ヒュッゲな空間を提供されるのではなく、一人ひとりのヒュッゲをみんなで作り上げていく社会が当たり前になるような取り組みをしたいという想いを込めて、「みんなのヒュッゲ」として活動しています。

Alt="みんなのヒュッゲ ヨガ"

*・・・プリベンティブヨガは、本岡さんの造語で、予防+ヨガ。健康増進、けがの予防、疲労しにくい体づくりなど、病気になる前に対処できる健康づくりの方法を、ヨガを通してお伝えしています。

秋山響さん(以下、秋山):普通のヨガとどの点が違うのでしょうか。

本岡:ヨガには流儀が色々あります。僕が行うのは運動療法を取り入れたヨガです。リハビリよりですね。看護師さんと同じで、理学療法士も医師の指示のもと治療できます。あくまでも「治療する」ではなく、「予防する」とか「動作を改善する」ことをするヨガをしたいと思っています。

解剖学や生理学などの専門的な知識を加えつつ、ヨガの要素も加えつつ。元々は健康増進のためにヨガをしていたんですが、自分の武器を生かす形で、それを地域にどのように展開したいのか、なにを届けたいのかを考えています。

理学療法士を目指したきっかけを教えてください

本岡:医療ドラマをよく観ていて、最初は医師になりたかったんですが、学力と金銭面で諦めました。なにか医療に携わりたいと思った時に、看護師さんが思い浮かびましたが、15年〜20年前は、「看護婦さん」と呼ばれることが多く、まだ女性のイメージが強かったので違うかなと思っていました。ある時、高校の先生が「理学療法士」を教えてくれて、「これだ!」と思いました。

秋山:どんな学生時代でしたか?

本岡:東京生まれの東京育ち。専門学校も東京で、徳島で実習しました。実習先で良くして頂き、「おいで」と誘っていただいたので「行きます」と言ったことが始まりで、以降徳島県で暮らしています。徳島で骨を埋めるつもりです。

学生時代は大人しく、あまり目立たないタイプでした。強いて言えば、学生の時に変わったと思います。失恋をがきっかけで自分を着飾ることをやめました。やりたいことをやって、他人の目を気にしないようになりました。

現在の活動に至るまでのキャリアを教えてください

本岡:病院のほか、デイケアでも働いていました。デイケアでは主任にまでなったんですが、あまり管理職に向いていないと感じました。僕は現場主義で、人のマネジメントは好きではなく、自分がやりたいことをやりたいと思うようになればなるほど、精神的なストレスは大きかったです。時間外労働もあり、責任も大きい。自分のやりたいことが出来なくなることで、自分は何のために仕事をしているのか、何のために地域に出ていたのかを考え始めました。

医療の世界にはお金に疎い方が少なからずいらっしゃるかと思うのですが、私もその一人でした。お金の勉強もしはじめて、個人事業主になっても「なんとかやっていけるかな」と思ったことや、人生一度きりだから「やりたいようにやらな」と思ったことから、フリーランスに転向しました。

「地域」に興味をもったきっかけを教えてください

本岡:介護予防など、早期のアプローチに携わりたいという思いからです。

病院で働いていた頃、患者さんが受け身なことに違和感がありました。リハビリでも「お任せします」という状態なんですね。一方で、高齢者サロンのような場に出ている人は、楽しそうに体操などに取り組んでいます。元気なうちから、健康のための知識を取り入れられる人が増えれば、いざ病気になったとしても、主体的な人が増えるのではないかと思いました。

Alt="本岡秀人 みんなのヒュッゲ"

秋山:患者さんが受け身にならないことと、地域との関連性をもう少し詳しく教えてください。

本岡:既に病気になってしまった人が、そこから自分がどうやったら元気になれるかを考えられる人は少ないように感じました。1日1〜2時間のリハビリは頑張れるけど、あとの時間は何もしないでテレビを観る。その時間に自分でも動けば、もっとよくなるはずなのに。

病院の職員としてはずっとつきっきりにはなれないからこそ、自分で入院前の習慣を把握できている人・知識を持った人が増えることで、自分から医療職に「休み時間にできることない?」と聞けるようになったり、自主訓練に取り組んだりする人が増えるのではないでしょうか。病気になる前から、地域のなかで、健康に目を向けるきっかけを作っていきたいんです。

「一家に一人のホームセラピスト」への想いを聞かせてください

本岡:「一家に一人のホームセラピスト」介護保険や医療保険に頼らずインフォーマルサービスとして地域に根差した、かかりつけセラピストのことです。膝の調子が悪い、最近立ち上がりにくくなってトイレに行くのが不自由になった、寝つきが悪くて困る・・・など、病院に通うまでもないけど、生活に支障をきたしているので専門職に相談したい、解決したいとお悩みの方々が気軽に相談できる人でありたいです。

仕事をするうえで大切にしていることを教えてください

本岡:自分がやりたいか、やりたくないかに尽きます。人生、やらなければいけないこともあります。やりたくないことをやらなければいけないときは、どうしたらやらなくていいのかを考えることも重要です。

それから、とりあえずやってみることも意識しています。失敗していいんですよ。失敗を恐れずに何回もトライして、また立て直して。失敗する過程も「次はこうしようかな」と仮説検証を楽しめるといいですね。心が折れることもありますが、僕の場合は折れすぎてそれ以上折れないので、あとは這い上がるだけです。

また、「分かりません」「教えてください」といえる勇気も大切だと思います。自分の夢を実現させるために、お金のようにやらなければいけないことが出てきます。そんなとき、人から教えてもらったり、アドバイスしてもらったりすることも必要ですよね。コミュニティナースの集まりの中でも、相談できる仲間がいることは勇気づけられます。

地域で健康に関わるやりがいを教えてください

本岡:体操をしたときに、一生懸命聞いてくれたり、「家でやる時はどうしたらいいの?」と聞いてくださったり、自分が伝えたことに関して質問してもらえるとやりがいがありますね。屋台を開いているときも、「近所に認知症の方がいるんですけど、どうしたらいいですか」「腰がいたいんですけど」など相談があります。アドバイスして、その後「良くなったんよ」って言ってもらえると、「よし!」と思います。

今後の展望を教えてください

Alt="みんなのヒュッゲ"

画像:Facebookページより

本岡:週4日の非常勤で働く割合を減らして、ヨガやコーヒーなどの「みんなのヒュッゲ」の活動で収益をあげられるようにしていきたいです。致命傷にならないような人生設計をしているので、これから3年間は色々なことにチャレンジしてみたいと思います。

看護学生へのメッセージをお願いします!

本岡:本当に自分がやりたいことは何かを考えて欲しいです。自分がやりたいことと、今やらなければならないことを常に考える癖をつけたらいいのかなと思います。自分が進みたい未来というのが見えてくると、そのために何ができるかを思考できるようになります。

僕はよくシャワーを浴びている時…ふとリラックスした瞬間に「こうしていったらいいんじゃないか!」というアイディアが閃くので、シャワーの途中でもすぐにメモをとります。そしてもう一回シャワーに入ります(笑)。メモを見返すことで得られるものもあるので、学生の時からやっておけばよかったなと思います!頑張ってください!

ーーーー本岡さん、ありがとうございました!
今後、徳島県のインフォーマルな場を引っ張っていく存在だと思いました。また数年後に、変化を取材させていただけたら嬉しいです。よろしくお願いします!

▷みんなのヒュッゲ Instagramはこちら
▷みんなのヒュッゲ Youtubeチャンネルはこちら

*このインタビューは、全国ぶっコミプロジェクトのクラウドファンディングのリターンである、【看たまノートであなたを取材】をお選びいただき、実現しました。本当に応援ありがとうございます!

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